コラム
【10.10.17】つらすぎる「反日デモ」のニュース
冷静な話し合いを一刻も早く
朝からあまりにつらいニュースです。中国四川省の「反日デモ」…。
店のガラスが割られる、日本車が襲われる、なぜそんな事態に。その怒りや憎しみは何から生まれているのか…。
本当にやりきれない気持ちになります。
尖閣諸島は武力による威嚇や戦争行為によって奪った島ではありません。
そのことを日本共産党は歴史の事実を調べなおし、史実にもとづいて示しました。
また、今日にいたるまで日本政府が中国政府と、尖閣諸島の問題で歴史の事実にもとづいた本格的な話し合いを
してこなかった、ここに大きな問題があることも指摘しました。
詳細は、日本共産党HPをぜひお読みください。
http://www.jcp.or.jp/down/bira/10/pdf/1010-senkaku-color.pdf
大切なのは、一刻も早く、本格的な政府間交渉を行うことです。
事態をこれ以上悪化させない責任が、日本政府にも中国政府にもあるはずです。
「反日デモ」は、中国の人たちの総意ではないでしょう。
もっと冷静な対応を求める人、この問題の核心が何かを知りたいと思っている人、国際社会のなかで中国がどういう態度をとるべきかを真剣に考える人は大勢いるのではないでしょうか。
経済活動でも、文化交流でも、世界の各地で活躍する中国の方たちも、今回の事件に胸を痛めているのではないでしょうか。
異なる意見を抑え付けるのではなく、道理をつくして粘り強く話し合う。
この大切さを繰り返し思わずにいられません。
ノーベル平和賞をめぐる問題で、「一党独裁」「言論弾圧」=「共産党」というイメージがもたれることも本当に悲しいし、悔しい。
それはどんな政党、どんな国でも、克服されるべきものだし、日本共産党は「政党結社の自由」「思想信条の自由」「言論・表現の自由」を日本の政党のなかでもっとも強く求め続けた政党だからです。
最近、中国を舞台の一つとした映画に魅了されました。
オーストラリアで製作された「Mao’s Last Dancer」。日本訳「小さな村の小さなダンサー」。
毛沢東の文化大革命の時代に選ばれた実在するダンサーの物語。
文革による弾圧、暴力のシーンもあります。
思い出すのは、文革で弾圧された日本人がいるということ。中国に滞在していた赤旗記者は重傷を負わせた姿で日本に帰国したのです。
日本でも文革を支持する人たちが最も攻撃した相手が日本共産党だったのです。
映画で描かれた時代は、中国から海外に留学生が多数送り出されていたそうです。
留学先で見事に成長していく学生たちも、政府の意思によって帰国を強制されていたと、映画のパンフレットにありました。
けれど、映画の主人公のアメリカ亡命、その後の世界的活躍などに影響され、中国政府の方針は変化。
現在では強制的な帰国も求めず、海外永住も認められているとのこと。
国際社会に門戸を開くほどに、文化の交流、人の交流が、国の形を変える力となっているように思えます。
映画では本格的なバレーダンスのシーンが満載で、中国のバレーの水準の高さには感嘆します。
主人公を演じたダンサーはイギリスのバレー団のプリンシパル。ここまで人は身体を鍛えぬくことができるのか、こんなジャンプや動きが可能になるのかと、胸を打たれるようなシーンの連続でした。
尖閣問題だけで中国を語りたくない。
真の友好を本当に深めたい。
まして事態をますます悪化させかねない、軍事的な対抗に向かわせるわけにはいかない。
私たちに政府間交渉ができないことが、なんとももどかしく、日本政府の背中をおしたくていてもたってもいられない気持ちです。