日本共産党 田村智子
コラム

【10.10.01】B型肝炎問題 学生たちが山手線ラリー宣伝

池袋駅で私もビラ配り、ハンドマイク宣伝

 
午後7時過ぎ、池袋駅東口で若者たちがオレンジのキャップをかぶってチラシを配り始めました。
私もスーツ姿にキャップという、ちょっと変なスタイルでしたが、横断幕をもちました。

予防接種によるB型感染ウイルス感染。行政責任を問う裁判の原告団と出会った学生たちが、「自分にできることは?」と支援活動を始めています。
山手線の主要駅をぐるりとまわる宣伝は、上野駅からスタートしました(9月23日)。
10月1日は、池袋駅がスタート地点。夜9時過ぎまで、駅を移動しながらの宣伝行動だといいます。

「池袋駅だけですが、ご一緒させてください」
原告団の代表の方も、学生さんたちも、私の飛び入り参加を大歓迎してくださいました。

私もビラを配り、そしてハンドマイクで訴えました。
あまりに多すぎる人の流れは、ビラ配りが通行妨害になりそうで、なかなか難しかったのですが、信号待ちの人に声をかけると大抵の方が受け取ってくれました。

 
予防接種でのウイルス感染だと思うと、私の同世代以上の方は、その危険性にさらされたことになります。
原告の中にも、「感染を全く知らなかった」という人は何人もいます。

危険性を知りながら注射器の使い回しをやめさせなかった国の責任だけでなく、今なお、感染の可能性を国民的に知らせていないという重大な責任を思わずにいられません。

9月16日には、あらためて原告団代表が国会を訪ねて、私たち日本共産党国会議員団にも、最高裁での和解協議の問題点を切々と話しておられました。
その一人は、若い女性。30代でしょうか。
感染しているが肝炎発症はしていない、しかしあまりにも人生の犠牲は大きかったと、涙をこらえながらの訴えでした。

肝炎を発症させないため、ウイルスを抑え込む治療が必要。
それにふみきれば、妊娠をあきらめざるをえないとか、治療を始めたら途中でやめることはできず、将来設計さえも変更せざるえないほどの打撃を受けるといいます。

「私たちはロシアン・ルーレットのように感染し発症した」
それは誰もが被害者となる可能性があったということです。

今の国の対応は、いかに被害を小さく見せるか、救済対象を絞り込むかが優先されているように思えてなりません。
賠償金の総額が心配ならば、それは協議すればいいのです。
一番大切なのは、どこに国の責任があったのかを自覚し、その責任にふさわしい対応をすることです。

ハンドマイクを持つ学生が「B型肝炎問題を知ってください」とよびかける。
そう、それほどに知られていないことに戦慄さえ覚えます。
中にはわざわざ引き返してビラを受け取る年配の女性もいました。
これは政治的な立場とか別の次元の大切な宣伝だと、ビラを手渡しながら思いました。

午後7時30分過ぎ、池袋駅では宣伝終了。
オレンジのキャップを返しながら、学生や弁護士の方々とも握手。
原告の方々には「がんばりましょうね」とあらためて声をかけました。

国会開会日のしめくくりの活動で、宣伝に参加できたことが本当に嬉しい!
この日で山手線駅の半分をクリアするという学生たちの笑顔が、なんだか嬉しくて、首相の所信表明演説よりも、日本の将来への希望を見るような気持ちです。