日本共産党 田村智子
コラム

【10.09.25】原子力空母は横須賀から出て行って

ジョージ・ワシントン配備2周年の抗議集会

 
今日から3日間、日本共産党の第2回中央委員会です。
参議院選挙の総括、今後の活動のあり方を集中的に話し合います。私も准中央委員として参加するのですが、国会議員との2足のわらじの3日間になりそうです。

会議を途中で抜けて向かったのは、晴天と強風の横須賀港。
赤・青・黄色と鮮やかなのぼり旗が力いっぱいはためいています。
港の沿って草木の緑が心地よい公園。向かいの港に停泊する船はグレー一色。

JR横須賀駅から眺めて、今日は戦艦が少ないぞとわかるくらい、私もアメリカ軍基地の視察を重ねてきました。
ジョージ・ワシントンも「出かけて」いる様子。

横須賀港がアメリカ軍の空母の母港とされたとき、日本政府は「3年ほど」と時限的な措置であることを市民に約束していました。
ところがそれから40年近くが経過して、空母はいなくなるどころか、次々と新たな空母が配備され、とうとう原子炉を積んだ危険このうえない空母が居座ることとなったのです。

横須賀市民、神奈川県民、そして首都圏から怒りの声、不安の声がまきおこり、横須賀市では原子力空母配備の是非を問う住民投票を求める、直接請求署名が2度にわたってとりくまれたのです。
そうした市民の声を全く無視し、市長が受け入れ表明。今日にいたります。

配備されたからとあきらめるわけにはいかない。抗議集会は昨年も、そしても今年もとりくまれているのです。
「配備を決して許さないみなさんの運動に、心からの敬意と熱い連帯の思いをこめて」と、私も政党代表としてあいさつをしました。

あいさつ原稿の準備で、国会での日本共産党の質問も読み直しました。
今年の通常国会、4ヶ月にわたるジョージ・ワシントンのメンテナンス作業に関わって井上さとし参院議員が質問しています。

どんなメンテナンスで何が空母から運び出されて、別の艦船に積み込まれたのか、何もあきらかではありません。
米国から放射能の測定を担当する専門官が横須賀港に来ているのに、「米軍からの報告はないので放射能汚染物質は搬出されていない」と岡田外相(当時)。
しかも「別の船への物資の移動」は、「搬出」ではない、というのです。

これほど国民の安全に無関心な政府がほかにあるでしょうか!
1979年度から2010年度予算まで、米軍の施設整備につかわれた税金は2兆円を超えます。
横須賀港もジョージ・ワシントン用に港の底を深くえぐる工事が行われました。この軍港にはこれまで2300億円を超える税金がつぎ込まれたのです。

あらためて思います。
2兆円という規模の予算が、貧困の撲滅のために、教育の普及のために、異なる文化や宗教をわかりあう平和の外交のために使われていたら…。

原子力空母はいらない、アメリカ軍基地はいらないと、声を上げ続ける。
若いお母さん、弁護士の方、米軍犯罪で大切な人を失った被害者の方、そして真の平和の実現めざす人たち。
集まった方々の笑顔がまぶしい集会でした。