コラム
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【10.08.06】初質問に立ちました
長妻大臣と相対して緊張の15分間
臨時国会最終日。午後2時30分から厚生労働委員会。3時45分から、なんと私の初質問となりました。
委員会審議が決まったのは3日前。ばたばたとこの日を迎えました。
委員会室に一番のりして、自分の席、マイク、時計の位置など確認。
初めて議員として委員会室に入る、その日に質問に立つことになるとは!
参議院の職員の方も、マイクの使い方など、ていねいに説明してくれました。
初登院から8日目で初質問というのはあまり例がありません。
新しい議員を迎えての国会は、本会議での席と所属委員会を決めて終わるのが通例だからです。
今回そうならなかったのは、選挙前の通常国会の終わり方が不正常だったためです。
先国会で、社会保険病院・厚生年金病院を存続させるための法案が成立するはずでした。
衆議院で可決され、参議院での審議・採決も与野党間で了承されていました。
ところが、鳩山首相の辞任、その後の不正常な国会運営で、参議院での委員会が開かれないまま廃案になってしまったのです。
これらの病院は現在、「整理機構」が持ち主となっています。
「整理機構」は、マスコミでも大きくとりあげられた無駄な公共事業の象徴ともなった、年金関連の保養施設の整理売却をすすめる独立行政法人。
法律では、9月末に廃止されます。
このままでは法律上、病院の持ち主がいないということになってしまう…。
そこで、廃止を先送りする法案を通さなければならなくなったのです。
こういう緊急事態の委員会ですから、質問は全部で2時間。
私に与えられた時間はそのうちのわずか15分間です。
(この日の質問は、民主党が野党に質問時間をすべてゆずり、自民40分、公明20分、みんなの党、共産党、社民党が各15分ずつ。)
みんなの党、川田龍平議員の質問が終わり、委員長が私の名前を呼びました。
「次に、田村智子くん」
「委員長」と挙手。(これが発言ごとに必要だと、委員会が始まってから思い出しました。秘書時代、傍聴席から目にしていた光景です。)
「田村智子くん」
「日本共産党の田村智子です」――(しまった、マイクの位置を変えてない!)
マイクの角度をぐっとひきよせて。
「8月6日という日に初質問をすることとなり、感慨を深めております。
私が政治の道を歩むきっかけは、原爆被害とどう向き合うかという葛藤でした。
核兵器廃絶はじめ平和の実現、民主主義発展への志を忘れず、議員の任を全うする決意を申し上げて質問にはいります」
足や声が震えるほど緊張するか…と思ったのですが、声が少しかすれる、程度ですみました。
直前まで、脈が速くなっていることは、よくわかりましたが、傍聴席に知り合いの姿がみえるにつれて、次第に気持ちが落ち着いていきました。
B型肝炎訴訟について1問、社会保険病院の存続について3問。
15分はあっという間で、大臣の答弁も想定よりもていねいで(それだけ時間がかかってしまうのですが)、早口にしなければ時間オーバーになってしまう…
質問時間の短さが本当に悔しい。
B型肝炎患者の方々は、臨時国会が始まってすぐ、各党議員をまわる要請をしていました。
予防接種で肝炎ウィルスに感染した、この国の責任を明らかにする裁判は、国が行政の過失を認める方向で和解協議が始まっています。
しかし、国がどういう救済を行うか全く見えてこない。
「裁判のさなかに肝炎から肝がんを発症した」という方も。命がつきるまえに和解できるのか、なんとか、もっと協議の回数も増やし、内容もはっきりさせてほしい…。
要請を聞いて、たとえ1問でも質問しようと心に決めました。
患者や遺族のみなさんは大臣とは直接話ができないのです。
その気持ちを伝えるのは、私の仕事だ!
そして社会保険病院・厚生年金病院をめぐっても、先の国会の存続のための法案廃案が、大きな衝撃を広げたことがわかりました。
地方議会からの意見書、病院長らの手紙、労働組合の方々の怒り。
「やっと希望がみえたと思ったのに。また病院売却という話が蒸し返されるのか!」
話を聞き、資料を読むごとに、私のなかにもみなさんの怒りやあせりや、意気消沈する思いがどんどん流れ込んできました。
その思いを大臣にぶつけよう。
質問原稿を書き直すたびに、「国民の代弁者」という仕事は、こういうことかと実感しました。
最初は、自分が言いたいこと、明らかにしなければならないことから、原稿書きが始まりました。
推敲し、声に出してみるたびに、当事者の方が「言ってほしいこと」「言いたいこと」に自分の気持ちが向いていくのです。
委員会室で思ったほど緊張しなかったのも、具体的な要求を心をこめて話してくださった方々の姿があったからだと思います。
初質問に、急遽かけつけてくださった方々の姿も、どれほど支えになったことでしょうか。
みなさんに支えられての初質問、反省点もありますが、
「言いたいことを言ってくれた。胸がすっとした」
「これからの運動に希望がわいた」と、感想もよせていただき、議員としての確かな一歩をふみだせたように思えます。
みなさんの応援に心から感謝です。