コラム
【10.07.12】悔しさと嬉しさの入り混じった当選
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投票日から日付が変わり、午前4時59分。
「田村智子さん当選確実です」、NHKニュースが伝えました。
事務所近くのビジネスホテルで一人、その画面を見ていました。
やっと到着した「当選」という峰。
けれどそれまでの約9時間、祈るような思いや悔しさがごちゃまぜでした。
午後11時頃、東京選挙区の最後の1議席をめぐる状況をみて、いつでも事務所に駆けつけられるように、化粧を直し髪を整え、速報を見続けました。
けれど…
小池あきらさんの議席を失った…その衝撃に身動きができませんでした。
「一度、事務所に来てください」と連絡が入りました。
小池さんへの取材が落ち着き、握手だけでもできればと事務所に入りましたが、駆けつけてくださったみなさんがあふれていました。
午前1時過ぎ、もう一度ホテルに戻りました。
それから数時間、テレビはつけたまま、でも音声は聞いているのがつらくてぎりぎりまでしぼりこみました。
朝には横浜市内で、選挙結果報告の宣伝があります。
少しでも休まないと、とベッドに横になって、時々うつらうつらしながら、なんともいえない時間が過ぎていきました。
比例3議席の数字が、4になることをどれだけ願ったか。
午前6時45分、ホテルを出て関内駅に向かいました。
途中、小諸市の実家に電話しました。
電話に出た父親は沈うつな声。「私は当選した」と伝えると「え!」と驚きの声。
「朝刊には4番目に名前があったから…」と言ったあと、嗚咽が聞こえてきました。
初めて、当選の実感がわきました。
現職議員に新人の私が加わる、この勝利を心の底から願っていました。
こんな悔しい議席獲得になることは、想像したこともありませんでした。
午前8時前、神奈川のみなさんと握手。
はたの君枝さんのあと、マイクを握って話しましたが、笑顔ではなかったと思います。
午後2時、新宿駅西口。選挙後、初めて小池あきらさんと握手。
小池さんは、落ち着いた声で結果の報告とこれからの決意を話していました。
私が泣いたらダメだと思いつつ、声が震えてしまいました。
失ってしまった議席の大きさを思わずにいられないのです。
それでも、今の気持ちを率直に、落ち着きを取り戻して話しました。
「消費税増税をめぐる議論は、これからが始まりです。国会での論戦とともに、国会の外でのみなさんとの運動を大きく巻き起こしていく決意です」
「派遣労働法の見直しも、国会での議論が再開します。正社員が当たり前のルールとなるところまで、働くみなさんと力をあわせます」
午前中、神奈川県内のあいさつまわりをしたときに、日産自動車で「派遣きり」され、裁判でたたかっているTさんとあいました。
涙をぽろぽろこぼしていた姿が思い浮かびます。
失業給付もきれて、アルバイトで生活をつなぐ日々。
選挙中、「カルロス・ゴーン社長に8億9000万円の役員報酬」の報道に、彼女の姿を何度思い出したことでしょう。
どんな思いでこの報道を見ただろうか、と思うと、「怒髪天をつく」という心境でした。
長い時間をかけて手にした議席、それがどれほど大きな意味を持つのか、これから毎日のように実感も、痛感もすることになるでしょう。
初めて国政選挙に挑んだのが1998年。
候補者という活動に専念することとなったのが2003年。
みちのりは本当に長いものでした。
新たな境地での仕事が始まります。
応援いただいたみなさんの思いを胸に刻み、新たな一歩を踏み出します!