日本共産党 田村智子
コラム

【10.06.11】武田信玄公の前で対話演説

山梨デーで2市1町をまわりました

 
甲府駅前での対話演説は、大きな銅像の横にお立ち台。
甲斐の国の英雄、武田信玄公の銅像です。
(地元の方の話では、この銅像の顔は「似ていない」とか…。)
職場の昼休みに駆けつけてくださった方々もいるため、30分という最短の対話演説となりました。

「間もなく対話演説を始めます」
案内の声が響く中、通りかかった男性から声をかけられました。
「子ども手当てばかりで、障害者の年金をどうしてくれるのか。あまりに少なくて生活できない」
切羽詰った表情。悔しさや怒りが胸のうちに渦巻いているのでしょう。
「意見をよせてくださってありがとうございます」、固く握手をすると、男性の表情が少し和らぎました。

我が家も子ども2人分の「子ども手当て」が、夫の口座に振り込まれました。
この手当てが、庶民増税を財源にしているとは、なんという居心地の悪さでしょう。
子育て世代と高齢者や障害者の方々を分断するような施策にしてしまった、民主党政権はこのことをどう考えているのでしょう。

12時50分、いよいよ山梨初の対話演説スタート。
初めに5分の演説、時間との勝負の対話です。
後期高齢者医療制度はどうなるのか、消費税を増税しないで財政再建はできるのか、
沖縄から普天間基地をなくすことは本当にできるのか…
質問もテンポよく出されました。

強い陽射しに汗がしたたり、目にしみます。
一生懸命こたえていると、タクシー運転手の方が数人、車を降りて、そばまで来て聞いてくれました。
ジャスト30分で終了!
みなさんと握手をしている間に、運転手の方々は車に戻ってしまいました。
タクシープールにむけて「ありがとうございました!」

 
次の昭和町。「街頭でやっても人通りもないから…」ということで、屋内での対話演説となりました。
「質問にこたえる対話演説だから」と、政治や日本共産党への疑問、意見を聞きながら、お誘いをしたとのこと。
聞き取った声は、A4の紙2枚にもなっていました。

会場では、校長先生をなさっていたという高齢の男性が、「どうしてアメリカに基地撤去をもとめることができなかったのでしょう」と質問。
人生の先輩からの質問に、若輩者がこたえるのは恐縮しますが、心をこめて話をしました。

「鳩山さんは、アメリカに基地問題を話す前に、米国防長官からものを言われてしまった」
政権交代がおきてすぐに、国防長官から「県外、国外はありえない」と釘をさされたとたんに、鳩山首相の言葉は見事にトーンダウンしたのです。

「志位委員長がアメリカ政府国務省に、普天間基地は無条件撤去するしか道はない、と話をした。それでアメリカの関係が悪化したでしょうか。とんでもありません。率直な話し合いは大切だ、これからも続けようと、アメリカ側から述べられたのです」
ほーっというように、うなずく姿、励まされます。

南アルプス市の演説会まで、時間にゆとりがあったので、町議さんのお宅で一休み。
突然の訪問だったので「何にもなくて…」と、テーブルにトマトときゅうり、らっきょの塩漬
け。
これが「おいしい!」、おやつとなりました。
トマトにはうっすらと塩がふってあり、子どもの頃、実家でこうやって食べたなぁと、懐かしい気持ちでいっぱいになりました。

「こういう集まりはいいねぇ」と町議の深澤平助さん。
「お誘いしながら、色々意見を聞いていただいて、とても参考になりました」と私。
「深澤さんが住民のみなさんとしっかり結びついているから、率直に意見や疑問もよせてもらえるんだよ」と地元の支部の方。
一休みしたら、支部のみなさんは、党のポスターを貼ってもらうよう、地域をお願いしてまわるとか。
ほんとに頭が下がります。

 
夕闇が迫る中、南アルプス市へ。
さくらんぼ農園が、道の左右に広がっています。
さくらんぼは雨にあたるとダメになってしまうとのこと。
1本1本がビニールの家でおおわれています。実がなる頃にビニールを上から下ろして完全に囲ってしまうそうです。
受粉、摘果、収穫にむけた様々な作業。「丹精込めて」とは、こういうことなのですね。

花田仁選挙区予定候補といっしょに、会場入口でみなさんをお迎えしました。
さくらんぼは今が収穫期、仕事をおえて駆けつけてくださった方々も大勢おられるとか。
「お忙しいなか、ありがとうございます」、お一人お一人と握手。
30分の演説も力いっぱい、そして心をこめて話しました。
拍手とともに、さくらんぼもいただいて会場をあとにしました。

甲府から新宿に向かう、特急あずさの最終便。
車内でさくらんぼの箱を開けてみました。
大粒でつやつや。ハート型みたいにまるまるとした粒。
「帰る頃は、もう子どもは寝ているだろうな。朝食に出したら喜ぶかな」

ところが、この帰路は「人身事故」で中央線がカメの歩みに
やっと新宿に着いたら「線路に人が入った」と山手線が動かない…。
予定時間を1時間も遅れて、日付が変わる頃にやっと家にたどりつきました。
「人身事故」の多さは、自殺者が増えていることのあらわれなのか…。
そう思うと、身も心も疲れがどっと出てきそうです。