日本共産党 田村智子
コラム

【10.05.16】南アルプス、八ヶ岳、広がる水田

山梨県北杜市での演説会

 
青空にそびえる甲斐駒ケ岳。八ヶ岳も南アルプスも、山頂近くの谷間に雪の筋がみえます。
標高700メートルをこえているので、初夏の陽射しでもすがすがしい。
故郷、小諸市も同じくらいの標高。そして、北杜市の小淵沢駅は、小諸駅と小海線で結ばれているのです。

演説会場に向かう車からは、水が張られた田んぼの風景。
「カッコウが鳴いたら田植えができると言われているんです。昨日あたりから、カッコウの声を聞いたとか、まだだとか…」
駅まで迎えに来てくださった地元の方のお話。農業と自然のかかわりの深さを感じます。

演説会場は、大きなログハウスのような立派なホール。
壁も天井もすべて木目が鮮やかな総木材つくり。

選挙区の予定候補、花田仁さんは「芝居がやりたくなるね〜」。
東京で劇団に入り、小学校での地方公演もやっていただけに舞台を見る目が輝いています。

花田さんは演説でも芝居の話を織り込んでいました。
沖縄の小学校で公演をしたとき、戦闘機の爆音に芝居を何度も中断させられた。
芝居が途中で止まるなんて! 現場を体験したからこその告発です。

私は30分の演説。
米軍基地問題では、14日(金)に行った外務省交渉についても話しました。

 
北杜市では、米軍機の低空飛行の目撃証言が相次いでいるのです。
山をかすめるように飛ぶ機影、そして爆音。
撮影された写真をもとに高度や針路を割り出し、清里の民家や観光地を低空飛行していると推測。
この資料をもとに、外務省に低空飛行をやめさせるよう要請ました。

外務省の担当者は、「米軍の低空飛行訓練を確認したり、やめさせたりということはできない」
それが、日本とアメリカの取り決めだからです。
しかし、民家の集中する地域での低空飛行の禁止は日米合意です。

「合意からはずれているかどうか、調査するのが難しい」と外務省。
「合意違反だと確認し、米軍もみとめた事例はあるのか」と聞くと、1件あるとのこと。
自衛隊基地のそばだったため、住民から自衛隊機の低空飛行を疑われ、汚名を晴らすために自衛隊が独自調査をした結果、米軍機の低空飛行が確認されたというのです。
まさにレアケース!

今、低空飛行への苦情が集中しているのは群馬県前橋市。
党の国会議員、地方議員が同じように中止を求めて要請をしていたはず。
「前橋の例はどうなりましたか?」
「高度から、低空飛行とは確認できなかった。しかし、合意の枠内ではあっても騒音への苦情があがっているので、せめて高校受験の日は中止してほしいと求め、米軍も了承しています」と外務省。

受験日の中止は当然ですが、それでは卒業式、入学式はいいのか、日常の授業はどうなるのか。
ふつふつとわいてきた怒りを思い出しながら、演説をしました。
アメリカにものを言うのは、対等な真の友好関係を築くために必要だと、力をこめて訴えました。

 
演説を終えると、地元のコメ農家の方から、日本一おいしいという北杜市のおコメをいただきました。
がんばっておいしいおコメをつくり、需要もあるのに、減反を強いられる。他の産業ならばありえないことです。

会場の出口で、農作業で忙しいはずの午後、演説会に集まってくださった140人のみなさんと握手。
ごつごつした、働く手の多いこと。
会場を出て、あらためて周辺を見渡すと、水をいれたばかりの水田がありました。
田植えがいよいよ始まります。天候の変動がありませんように。
田んぼが黄金色に染まるころにも、ぜひ訪ねて、収穫したてのおコメを味わいたいものです。