日本共産党 田村智子
コラム

【10.05.13 】たけのこほり、畑仕事、なんて素敵な保育園!

横浜市の保育園を訪問しました

 
保育所への入所を申し込んでも入れない、待機児童が大問題になっている首都圏。
日本共産党の緊急提案をもって、横浜市内の保育所を訪ねました。

お昼寝の時間なら懇談もできるというので、横浜市戸塚区のわかば保育園へ。
保育園のすぐそばは裏山の風情。竹が生い茂り、すくすく育ったたけのこは、私よりも背が高くなっていました。

「たけのこをほったりするんですか?」と園長先生に尋ねると、
「竹の手入れを市がしてくれないので、保育園を守るために、たけのこをほるんですよ」
確かに、倒れている竹もあり、これ以上竹が増えたら大変なことになりそうです。

子どもたちも小さなスコップを持って、一生懸命ほりあげるそうです。
新鮮なたけのこをつかった昼食は、香り豊かなことでしょう。

 
懇談では、待機児童の問題だけでなく、子どもの成長のために政治が何をすべきか、なにを理念とすべきかなど、厚みのある内容になりました。

まともな人件費をつかわない株式会社の保育所が増えている、これが子どもたちの成長を保障することになるのか。
認可、無認可という区切りでなく、本当に子どもの成長にとって何が大切かを土台にすなければ、子どもたちはどうなるのか。

子ども全体を思うからこそ、胸のうちは苦しく、いてもたってもいられない、そんな園長先生の思いがひしひしと伝わります。

子どもの成長は、親のため、子ども自身のため、だけでなく、むしろ、子どもの健やかや成長は日本社会にとってかけがえのないもの。
これが保育政策の根幹にすえられなければ!
園長先生の思いの核心は、私と完全に重なりあいます。

「公立保育所の民営化は、保育士は安い給料でいいという考え方からきている。なぜ公務員並みの給料ではいけないのか」
公務員並みの給料、という私の意見に、初めは驚いたような表情を浮かべた園長先生。
それほどまでに、民間の保育所の人件費は苦しいのです。

あっという間に、予定していた時間が過ぎ、子どもたちも午睡から目覚める時間。
子どもたちのためにお互いに頑張りましょうと、激励しあいながら、緑ゆたかな保育園をあとにしました。

 
その後、保育室、認可をとろうと努力している共同保育所と、子どもたちのにぎやかな声のなか、短時間の訪問。
そして、最後に訪ねた保育園では、お風呂タイムの子どもたちの姿!

夏でもないのに珍しい、聞けば、畑仕事の後だとか。
保育園の前の農地の一部を借りて、ジャガイモやトマトの植え付けをしたというのです。

「どうぞ、保育園の様子をみてください」と声をかけられ、園舎に入ると、「だれ?」「どうしてスリッパはいているの?」
子どもたちが次々に話しかけてくるのです。
のびのびとした姿に自然と笑顔がこぼれます。

園庭には井戸、夏には傾斜を利用して小川が流れるそうです。
こんなふうに水や土に自然とふれて遊べたら、楽しいだろうな。
毎日が楽しくて仕方ないだろうな。
楽しい気持ちで、保育園訪問を終えることができました。

駅そばの保育所に希望者が集中し、住宅街や自然の残る地域は、待機児童の多い横浜市内でも4月当初は定員割れになってしまう。
利便性から「駅近く」になるのは、理解はできますが、それでも割り切れない思いになります。
親の働き方にもう少しゆとりがあれば、少し郊外の保育所に通わせることもできるのでは。

子どもの成長にとって大切なものはなにか、利便性に走らざるをえない現状をどうやって変えていくか。
もっと子どもに関わるみなさんと考えあい、政治に生かしていきたいと思っています。