日本共産党 田村智子
コラム

【10.05.11】「対話」の楽しさ、大切さを実感

千葉県野田市で対話演説

 
茨城県との県境をもつ野田市。
遠いかな、と思っていたら、車で40分ほどで市内に入りました。
(私の家が千葉県よりだ、ということはありますが)
田植えの終わった田んぼがすがすがしく目に映ります。

市議選を目前にひかえた野田市で、街頭宣伝と対話集会、計7ヶ所。
最初に向かったのは、おだ真理さんの事務所。
傘をさして街頭演説は、大手スーパー前でおこないました。

「安売りの日は人が多いけれど、今日は雨だからな…」
地元の方が心配そうに準備をしていました。
都会とは違って人通りが多い町ではありません。
それでも、このスーパー前で対話演説に挑戦するのです。

おだまりさんの演説。
保育園民営化で保育士さんが総入れ替えになり、子どもも親も大混乱した。
それをやっと乗り越えたら、今度は学童保育の民営化がすすめられようとしている。
保護者のみなさんと運動にとりくんできた経験に、私も聞き入りました。
「子どもたちやお年寄りを痛めつけるやり方を市長がすすめようとするならば、
名前の通り、おだまり!と立ち向かいます」
思わず隣で拍手してしまいました。うまい!

 
私も沖縄基地問題、国保税の引き下げ(野田市では2年連続の引き上げで、標準顎はなんと年10万円を超えてしまいました!)、医療費負担の軽減など、お話をしました。
そしていよいよ質問にこたえるコーナー。

聴衆が10人ほどでどうなるかと思ったのですが、なんとかなりました。
派遣労働、消費税、医療費負担、そして日本共産党の政策をもっと知らせる方法はないのか…。

少し離れたところからも、何をやっているのだろう、とこちらを見ている方もいました。
話を終わると、「もっと向こうの方まで聞こえるように設置しないと、もったいないじゃない」と、買い物に来た女性が声をかけてもくれました。

午後には、松本睦夫市議、ちくだ祐子市議とも街頭宣伝をしました。
三人三様の演説、勉強になりました。

 
せっかく野田市に来てくれたのだからと、街頭だけでなく、屋内での小集会を4ヶ所。
街頭宣伝と交互で開催。
ここでも私の話は10分程度。あとは質問、要望を聞いての対話です。

「沖縄の基地をなくしたら、日本が危ないといういう人もいるが」
「鳩山首相はなぜアメリカに基地撤去をいえないのか」
沖縄の基地問題はどこでも、いろいろな角度からの質問がだされて、お互いに意見を交流する機会になりました。

中国の軍拡、北朝鮮の核開発への危機感があおられ、「アメリカの基地は抑止力」という考え方が、小さくない規模で存在していることをあらためて感じます。
中国が竹島の問題を武力行使で解決する可能性があるのか、
北朝鮮がどんな理由で日本を攻撃するのか、
冷静に対話をしていけば、軍隊による平和の維持という構造が、今の時代に通用しないことがはっきりしてくると思うのです。

加えて、海兵隊は先制攻撃舞台。
中国や北朝鮮に攻撃をしかける基地をおくことは、むしろ、軍事衝突の危険性を引き起こすものではないのか。

それでは、なぜ政権交代しても、アメリカと「基地撤去」の交渉ができないのか。
これは、私たちが当事者ではないので、私の考えでは、という前提での答えになります。

敗戦直後、日本の政治の中枢に、GHQの命を受けて「戦犯」の政治家たちがすえられた。
自らの政治生命をつなげるためには、アメリカの意思をすべてのみこむ従順さをもたざるをえなかったことは想像がつきます。

日本の米軍基地の問題は、アメリカが決めること。数々の密約までかわして、アメリカに主権を渡してきたのです。
その大転換の決断をすることができるかどうか。

同時に思います。
アメリカに沖縄県民の意思を伝え、「普天間基地は撤去以外にない」と伝えることを、なぜそんなに怖れるのか。
国民の側にしっかりと立っているならば、何も怖れることはないはず。

日本共産党が、現に、アメリカ大使に話をし、渡米してアメリカ政府の日本委員会のメンバーにも直接、基地は撤去するしかない、沖縄県民は後戻りできない、と事実を伝えているだけに、「怖れるな」と、声を大にして言いたいのです。

医療の問題も要望、質問がいくつも出されました。
「夫が心臓病になり、医療費の負担が本当にたいへん。これまでいくら払ったのだろうと思うと…」
「看護師不足、医師不足はもう限界。患者さんにもっとていねいに接したいと思ってもできない。悪循環が続いている」
「末期がんの患者さんは在宅に、と本人の意思も尊重してすすめているが、経済的な負担は入院しているときよりも重くなってしまう。3割負担が、訪問医療の妨げになっている」

待ったなしの課題だと、話を聞くごとに思います。
「医療崩壊」は、医療関係者だけでなく、患者サイドからも起こっているのです。
「医療費亡国論」をふりまき、予算抑制に躍起になった「臨調行革」「構造改革」の罪の大きさを痛感します。

「話しても日本共産党という結論にならない人がいて、しまいには頭にきてしまった」
こんな経験も率直に出されました。
これまで日本共産党は選択外だった、医師会や農協で、要求で一致するならと変化が起きていることを話すと、
「そうか、その人の要求が何かを話していなかった」

こんな集まりをどんどん広げて、続けて、発展させて。
どうしたら政治が変わるのかをお互いに考えあうことができれば、日本の民主主義が本当に大きく前進していくように思えます。
ハードな一日でしたが、充実感いっぱいでした。