コラム
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【10.03.09】房総半島の3つの町で町長さんと懇談
合併しなかった町からは学ぶことがいっぱい
外房線の電車のドアが開くたび、冷気が車内に広がります。使い捨てカイロを握りしめて、せめて手だけでも温めながら、たどりついたのは茂原駅。党東部地区、椎名委員長の運転ですぐに白子町に向かいました。
近隣の長生村で3月27日に行われる日本共産党演説会のご案内をかねて、自治体首長との懇談をお願いしたのです。
林和雄町長は、あいさつの後すぐに農業についてを話し始めました。
自民党政治で「経営に強い農家を育成する」と大規模化がすすめられた。
規模が大きくなれば、赤字が出たときには多額の借金を抱えることになる。家族で支えてきた農業に、他人の手が入れば人件費を払わないわけにはいかない。黒字が出ないのに、人件費負担。これでは破綻する。
私の名刺の裏面に目を走らせた町長は、「長野の出身ですか。坂の多い地域では大規模化は無理な話でしょう」、私の意見と完全な一致です。
白子町は長野県小谷村と姉妹都市とのこと。長野県を訪ねて荒れた棚田を目の当たりにして大きなショックを受けたそうです。
その他、品種改良や耕作アドバイスを専門に行う農業試験場の人員が減らされている問題など、実に問題意識に富んだお話を伺うことができました。
午後、雨が降り出しそうな天気のなかで、今度は長南町へ。
約束の時間より早めについたので、町役場に隣接した郷土博物館に立ち寄りました。
機械化前の農耕器具、わらで編んだむしろを袋にしたもの、そして昭和の時代のなつかしい広告。
奥の部屋には、手のひらサイズの芝原(しばら)人形がたくさん陳列してありました。
藤見昌弘町長に、「博物館で人形をみてきました」とあいさつすると、「振ってみましたか?」と聞かれました。
不可思議な顔をした私を横目に、町長室に飾られていた人形をもちあげて振ると、「コロコロ」とやわらかい音色。人形が土鈴になっていたのです。
長南町の主産業も農業。農家の後継ぎがなく、人口減少、耕作放棄地が問題になっています。
農家に出資を募って、耕作放棄地を共同利用できるようにしてはどうか。新しい試みを始めようとしているとのこと。
約束の時間より早めについたので、町役場に隣接した郷土博物館に立ち寄りました。
機械化前の農耕器具、わらで編んだむしろを袋にしたもの、そして昭和の時代のなつかしい広告。
奥の部屋には、手のひらサイズの芝原(しばら)人形がたくさん陳列してありました。
藤見昌弘町長に、「博物館で人形をみてきました」とあいさつすると、「振ってみましたか?」と聞かれました。
不可思議な顔をした私を横目に、町長室に飾られていた人形をもちあげて振ると、「コロコロ」とやわらかい音色。人形が土鈴になっていたのです。
長南町の主産業も農業。農家の後継ぎがなく、人口減少、耕作放棄地が問題になっています。
農家に出資を募って、耕作放棄地を共同利用できるようにしてはどうか。新しい試みを始めようとしているとのこと。
最後に訪ねたのは、睦沢町。
御園生正美町長は、町が茨城大学と共同で開発した籾殻(もみがら)を肥料としたコメ作りを話してくださいました。
籾殻は腐りにくく肥料には向いていない、という説明に、子どもの頃、りんごの箱には籾殻がいっぱい詰まっていたこと思い出しました。
腐りにくいからこそ、りんごを詰めるときの緩衝材として利用されたのでしょう。
この籾殻を牛の糞とあわせて堆肥にすると、大変質のよい肥料になるとのこと。環境保全、究極のリサイクルです。
堆肥工場は町が出資して運営していますが、これは国の補助金があるからこそ。農家の収入が激減しているもとでは、補助金がなくなったら開発の成果が水の泡です。
「地域の特性を生かした農業への補助制度は廃止しないでほしい」、切実な要求です。
今回訪ねた地域は、市町村合併が協議されたものの空中分解した地域です。
私との懇談に応じてくれた町長のなかには、合併推進の立場の方もいました。
けれど今、「それぞれの地域を大切にした政治」の大切さを、どなたも実感として話してくださいます。
農業でも、それぞれの知恵や工夫が、現場から生まれています。
このよさを応援する国政であってほしい、それが共通した思いでもありました。
現職議員でもない私との懇談に、快く応じてくれた町長はどなたも、日本共産党が野党の立場をとる自治体の首長です。
共産党の候補者との懇談は、おそらく初めてのことでしょう。
党との垣根がなくなりつつあるという、新しい情勢をここでも実感できます。
御園生正美町長は、町が茨城大学と共同で開発した籾殻(もみがら)を肥料としたコメ作りを話してくださいました。
籾殻は腐りにくく肥料には向いていない、という説明に、子どもの頃、りんごの箱には籾殻がいっぱい詰まっていたこと思い出しました。
腐りにくいからこそ、りんごを詰めるときの緩衝材として利用されたのでしょう。
この籾殻を牛の糞とあわせて堆肥にすると、大変質のよい肥料になるとのこと。環境保全、究極のリサイクルです。
堆肥工場は町が出資して運営していますが、これは国の補助金があるからこそ。農家の収入が激減しているもとでは、補助金がなくなったら開発の成果が水の泡です。
「地域の特性を生かした農業への補助制度は廃止しないでほしい」、切実な要求です。
今回訪ねた地域は、市町村合併が協議されたものの空中分解した地域です。
私との懇談に応じてくれた町長のなかには、合併推進の立場の方もいました。
けれど今、「それぞれの地域を大切にした政治」の大切さを、どなたも実感として話してくださいます。
農業でも、それぞれの知恵や工夫が、現場から生まれています。
このよさを応援する国政であってほしい、それが共通した思いでもありました。
現職議員でもない私との懇談に、快く応じてくれた町長はどなたも、日本共産党が野党の立場をとる自治体の首長です。
共産党の候補者との懇談は、おそらく初めてのことでしょう。
党との垣根がなくなりつつあるという、新しい情勢をここでも実感できます。
追記
白子町では、小中学校の給食をそれぞれの学校で調理をする「自校方式」にできないか、検討を始めるとのこと。
これも嬉しい変化です。「業務の効率化」「経費削減」から、国が給食を学校外の「センター」で調理して各学校に配送することをおしつけてきました。
カレーの日には、3、4時間目にその香りが学校に流れ始める。やっぱり、そういう学校にしたい!
白子町では、小中学校の給食をそれぞれの学校で調理をする「自校方式」にできないか、検討を始めるとのこと。
これも嬉しい変化です。「業務の効率化」「経費削減」から、国が給食を学校外の「センター」で調理して各学校に配送することをおしつけてきました。
カレーの日には、3、4時間目にその香りが学校に流れ始める。やっぱり、そういう学校にしたい!
田んぼが広がる地域。粘土質の土は、コメ作りに一番適しているとのこと。
「減反」「転作」ばかりの農業政策では、せっかくの地の利が生かされません。
写真の凧は、この地域の伝統。初節句のお祝いにも凧をあげたとか。人の背丈ほどもある大きな凧が、睦沢町役場の玄関に飾ってありました。
「減反」「転作」ばかりの農業政策では、せっかくの地の利が生かされません。
写真の凧は、この地域の伝統。初節句のお祝いにも凧をあげたとか。人の背丈ほどもある大きな凧が、睦沢町役場の玄関に飾ってありました。