日本共産党 田村智子
コラム

【10.03.04】大田区内を街頭宣伝

不況の苦しみは10年以上…

雨になりそうな雲行きのもと、蒲田駅東口から街頭宣伝スタートです。
寒い中、私が街頭演説をすると聞いて集まってくださった方もいます。
なかには、自転車で演説ポイントをおいかけて真剣なまなざしで聞いていた方も。
「今度こそ、国会にいってください」と、冷え切った手で固い握手を何人もの方とかわしました。

大田区内5ヶ所をまわっての演説は、主に商店街の入口が宣伝ポイントでした。
思い出します。私が初めて候補者活動をした98年。
候補者に決定する直前に、大田区内の町工場や商店街を訪ねてまわったことがあるのです。

「売り上げはさっぱり」、コーヒーの自家焙煎の店やとんかつ屋さん。
大田区の代名詞ともいえる金型工場、金属加工の町工場も、「仕事の発注を待って電話の前にいるが…」とため息。

橋本内閣が、消費税5%、医療改悪など総額9兆円にもおよぶ国民負担を押し付け、景気が急速に冷え込んだためでした。
思えば、このとき以来、商店街、町工場で景気がよくなった」と笑顔をみたことがあったでしょうか。

98年といえば、もう10年以上前のこと。
この国の中小零細の工場、商店は、これだけ長きにわたって不況の波のなかで耐えてきたのです。
それがどれほどの苦しみ、痛みだったか。

自殺者3万人、倒産・廃業がうなぎのぼり、政治の責任の重大さに、あらためて大きな怒りがこみあげてきます。
景気回復、経済立て直しは、くらしの建て直しと中小零細業者への支援こそ柱にすべき。
心をこめて、マイクから話しました。

東京での街頭演説ですから、小池あきら参議院議員の宣伝も。
「国会中継を聞いていると、けんかを見せられているようで腹が立ってくる」
「ケチのつけあい、足のひっぱりあいはいい加減にしてほしい」
こう思ってスイッチを切ってしまった方も、午後4時頃から、日本共産党の小池あきらさんが質問に立ちます。ぜひお聞きください。

私の街頭宣伝は、午後4時が終了時間。
移動の車に乗り込んで「小池さんの質問だと思います」と、国会中継にあわせてもらいました。

国民健康保険料が高すぎて払えない、保険料滞納者から保険証をとりあげ、病気でも病院にかかれなくし、さらに保険料の督促状を何度も送りつけ、自殺に追いやる――これが社会保障なのか!

国民健康保険への国の負担割合が、50%から25%に激減したことが、保険料の大幅値上げをまねいた。
それなのに、保険料が払えない人からは保険証をとりあげる業務を自治体の義務にまでした。

この事態に胸が痛まないのか、と迫る小池あきら議員。
「胸は痛む」といいながら、保険証とりあげをやめると明言できない鳩山首相。
そればかりか、とりあげがなければ、国民はまじめに保険料を払わなくなるという答弁までしたのです! 耳を疑いました。

それでも「胸が痛む」と素直にいうところが、新政権。
長妻大臣も「支払う能力があるのに払わないと証明された人以外は慎重に対処する」と約束はしました。
道理ある主張は認めざるをえない。
事態がここまで「限界点」に達している今、私たちの主張は、国民多数の要求として政治を動かす力をもちうるはずです。

20分間という短い時間が悔しい。
運転手さんが「田村さんも、国会行って、こういう質問やってくださいよ」
まなじりをぬぐいながらの言葉。そして今の質問。私も胸を熱くしていました。