日本共産党 田村智子
コラム

【10.02.15】全国宗教人の会との懇談に参加

宗派の違いをこえたすがすがしい語り合い

 
墨衣の法衣、白さがまぶしい神主さんの装束、清潔な背広姿…。
会場をみわたしただけで、この集まりのユニークさが一目瞭然です。
全国宗教人・日本共産党を支持する会のみなさんとの懇談会。小池あきら参院議員とともに参加しました。

まず、この集まりの呼びかけ人にもなってくださった方々がお話にたってくださいました。
信仰の道を歩むきっかけ、そのなかで貫いた信念等、お話を伺っていると、自分が日本共産党に入ったときのことと重なってくるから不思議です。

自らの戦争体験、空襲でお姉さんが直撃弾を受けて血まみれになって絶命。目の前で家族を奪われた悲しみ。
「戦争はお姉ちゃんを奪っただけではない。私たち家族からすべてを奪った」というお母さんの言葉。
不戦の誓いが、宗教への歩みとなり、日本共産党との接点となる。

開発による自然破壊に声をあげたことから、地元の方々から請われて宮司になったという奥田靖二さん。高尾山にトンネルをほるなの運動で、何度かご一緒してきましたが、宗教の道を歩まれたのがなぜかは初めてお聞きしました。

葛飾ビラ配布弾圧事件で、「無辜」を掲げて最高裁までたたかった荒川庸生さん(真宗大谷派・長永寺住職)は、裁判が終結したのでビラ配布を再開した、と発言され、大きな感動をよびました。
江戸川のスーパー堤防計画で、町壊しの無駄な大型公共事業の撤回をもとめる渡辺清明さん(日蓮宗・妙勝寺住職)。日本共産党の集まりに参加するのは初めてとのこと。民家も寺もお墓までも巨大な堤防としてつぶしてしまう計画に胸を痛め、地域住民のみなさんとともに粘り強く運動にとりくんでおられます。「日本共産党が一番親身に考え、行動してくれる」と信頼の弁を語ってくださいました。

お話をじっくりお聞きしていて、「理にかなった生き方をつらぬく」という共通点があるのだと思いました。
「理にかなった道」を歩もうとすると、それをはばむ政治にぶつかる。宗教者のみなさんの生き方が、私たちの政策、党員の生き方と共鳴しているのだと実感できました。

自殺者が年間3万人をこえている、生きることにゆき詰まり絶望が広がっているといえるでしょう。
あなたの苦しみはあなた一人のものではない、苦しみをもたらしている根源とたたかおう、これが私たちの立場。
宗教者のみなさんも、それぞれの宗教のなかで魂の救済をと、絶望の淵にある人に手をさしのべるでしょう。
そこにも私たちの接点があるように思えます。

なんだか、とてもすがすがしい懇談でした。
まっすぐに、自分の信念、信仰を語り合える場は、日常的にはなかなかない。

よく「政治と宗教はタブー。けんかのもと」と言われますが、本当は、異なる考え方に耳を傾けることは大切です。
耳を傾けたら、「支持しなければ」「信仰しなければ」と答えを狭くしないで、まず耳を傾ける。そこからはじめれば、思わぬ連帯の輪の広がりがつくれるのでは…
みなさんとあたたかな握手をしながら、すてきな懇談の余韻にひたりました。