日本共産党 田村智子
コラム

【10.02.02】志位委員長の代表質問を傍聴

「政権の正体見たり」の首相答弁

 
国土交通省から衆議院へ駆けつけたのは午後3時。
傍聴の手続きをしていたら間に合わないかと、議員会館の志位さんの事務所でテレビ傍聴することにしました。

ところが前の質問者への答弁が長くて、予定時間より30分も遅れて志位和夫委員長の質問が始まりました。
傍聴券をとっても間に合ったかな…と、ちょっと悔しい思い。
テレビで見ていてよいことは、拍手や「そうだ!」とか、盛り上がりながら聞けるところ。
議場に入ると、とにかく「静粛に」ですから。

マイクを通して、野次の声が入ります。
小沢民主党幹事長の金権疑惑。自民党席から「そうだ」「そうだ」の野次でしょう。
ところが、「田中・金丸自民党政治の金権汚職」からの脱却ができていないと、長く続いた自民党政治の金権政治への批判が始まると、とたんに野次の声がやみました。
自民党にとっては返す刀で切られかねない問題なのですから。

政治が自浄努力をしなくてどうするのか、検察任せで、金権政治への疑惑に立ち向かわない姿勢が許されるのか。
ロッキード事件のときは、検察の調査と平行して、国会で証人喚問を行ったではないか――このくだりでは議場は静まり返ったように思えました。

日本経済の建て直しには、労働者のまともな収入、中小企業への支援が絶対的に必要。
大企業にためこまれた内部留保を活用すべき、その政策検討を。
中小企業倒産が1年間で、1万3000件をこえた、この倒産だけで1ヵ月に1万人もが仕事を失った…。異常事態です。

そして沖縄の普天間基地問題。
海兵隊は「抑止力」なのか、正面からつきつける質問は、怒りと沖縄県民の積年の思いを渾身の力をこめて訴えるものでした。

さあ、どんな答弁が…
小沢幹事長の問題は「検察に任せる」の一本やり。ため息がでます。
大企業の内部留保は、企業の計画でつかわれるもの、そのうえで雇用の安定にも活用してほしい…、またため息。
海兵隊は、アジア太平洋地域の平和と安定の抑止力…、ため息。

鳩山首相の答弁が終わってから、傍聴者の交流集会に参加しました。
他党の質問がまだ続いていて、志位委員長の参加にはしばらく時間がありました。
その間に感想交流。

「野次がすごい」
「いつもは笑顔で演説する志位さんを見ていたが、今日の姿は闘う姿だと思った」
「拍手をして衛視にとめられた」
若者たちの初傍聴の感想は新鮮です。

年配の方も発言が続きます。
茨城県からいらした方は「元議員です」。お話を聞くうちに、保守的な立場で議員活動をしておられたことがわかりました。
引退してからの政治の動きに「軍国主義がつよまっているのでは」と危機感をもち、「孫のために」と平和の運動にかかわるようになったそうです。
そしてついに「2年前に日本共産党に入りました」
どよめきと、会場いっぱいの拍手が広がりました。

そして志位委員長の登場。
大企業の内部留保の問題で鳩山首相の答弁が「どこかで聞いたフレーズ」と思い、即調べたそうです(秘書さんや事務方が、すぐ対応したのでしょう)。
「昨年、派遣切りの問題で質問したときの麻生首相の答弁と、一言一句同じだった」
え〜! 驚きの声があがりました。

そうか、私のため息も、「これでは自民党のときと同じじゃないか」というため息だ。
日本の政治の一番の病巣にメスをいれることができない。
沖縄の基地問題も同じです。

「政権の正体見たり」という志位さんの言葉は、私の思いにぴったりでした。
もちろん、高校授業料無償化や、社会保障費2200億円削減は間違い、と言明するなど、変化はあります。
けれど、国民の要求に何がなんでもこたえる、そのためには大企業・財界だろうと、アメリカ政府だろうと、堂々とものをいう、という立場はない。

このことをどうやって広い有権者の方々に話していくか。
大企業の利益があってこその経済発展とか、北朝鮮が不安とか、そういう意見とも向き合いながら、何が事実か、どういう道が必要なのかを真剣に語り合いたい。

政治を論じ、変える、「たたかいの場」である国会に、私も早く登場したい。
志位さんの「たたかう」姿に私も感動しました。
この「たたかいの場」に私も必ず乗り込んでいくぞ!