コラム
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【10.01.19】三浦市で漁協、農協のみなさんと懇談
町に元気をとりもどすには…と意見交流
三浦半島を逗子市から先端の三浦市へ。途中、海に浮かぶ富士山に歓声をあげながらの移動となりました。党市議団のみなさん、はたの君枝さんとともに、
三浦市商工会議所の杉浦壽久会頭、みうら漁協の木村和一組合長、建設業組合の鈴木行男副組合長、医師会の中江清光会長、観光協会の竹山賢太郎専務理事、そして農協の吉田隆一組合長と懇談することができました。
三浦市は、三浦半島の最南端。三崎漁港のまぐろは、都内の店でも看板になるほど有名です。
車で市内を移動すると、広々とした畑が丘のように連なっています。三浦大根そしてキャベツの一大産地。
風光明媚なだけでなく、おいしいものを産み出す地だとわかります。
地域の産業が元気になってこそ、町に活気と希望がわいてくる。
それには第1次産業をどう育てるかが、一番のカギ。
各界の方々からお話を聞いて痛感しました。
漁協では、「魚を料理できない家庭も増えている。なんとか地元のおいしい魚を食べてもらおうと料理教室もやっている」とのこと。
耳の痛い話でもありました。私も海なし県の長野県で育ったためでしょうか、魚を三枚におろすことはできません。「そういう包丁がないものな」と漁協の方。
思わず大きくうなずいてしまいます。家にある万能包丁でアジをさばこうとしてうまくいかなかった経験がありましたから。
いい包丁でおろさなければ、おいしい刺身や切り身にならない、金物屋さんの存在も大切なんです。
一度や二度の失敗にめげずに、料理できる時間的かつ経済的ゆとりも。
食育を本気ですすめれば、日本の経済のあり方、私たちの働き方にも「変革」が必要となるんだろうな、これは、漁協や農協のみなさんと一致してとりくめるかも…などなど、刺激的なお話に考えがいろいろに広がります。
また、漁港に来なければ食べられない魚のことを教えていただきました。
水揚げして24時間以内でなければ生では食べられない、しこいわし。うるめいわしも絶品だとか。
「食べたい!」、頭のなかはしばし、いわしでいっぱいになりました。
観光とセットで、おいしい魚を漁港の町で食べようとアピールできないか、話がはずみ、同席した市議のみなさんも具体的な提案をしていました。
地元で水揚げされる豊富な種類の魚が、市場に出回らないのはなぜか。
いわしのように「足がはやい」ということもあるでしょう。
それだけでなく、大手販売店がのぞむものが漁業を左右している事情もあるようです。
商社や大型店が値段も量も決めて買い占める。これが漁業を営む人の利益を度外視した売り買いを引き起こす要因になっているのです。
農協でもこの問題がつよく指摘されました。
「大根1本はいくらがまっとうな価格ですか?」とお聞きすると、「農家が販売するのが1本100円、消費者の方には150円くらいになるんでしょうか。これでは売れないということになってしまう」
スーパーでは半分に切って売ることで利益をさらに上乗せできる。
けれど生産者にとっては、販売量も減ることになり、さらにつけを担わされる。
本当に生産者にばかり不利益がいくシステムが網の目のようになっているのです。
「民主党にも期待したけれど、所得保障はコメ農家だけでは…」
苦渋の表情です。しかも、「減反に応じた農家」が対象ですから、はたして所得保障なのか減反政策なのかさえあいまいです。
「若い人、現役世代が農業を担っているのが三浦市の特徴。ところが、嫁さんがこない」
誇りとやりがいと、生活できる農業。結婚、子育てに希望がもてる農業。
国の政策の柱にすべきです。
どの団体、業界の方とも、和やかに意気投合しながらの懇談となりました。
これが国の政策に生きるよう、宿題は大きいです。
帰路、「ぶり大根をつくりたい」という気持ちに。
おいしい魚とおしいい大根の話をたくさんお聞きして、私にできる両方を使った料理は「ぶり大根だ」と。
我が家では、みんなの大好物でもあります。
今日の献立のコロッケ(朝、衣つけるところまでがんばって準備しておきました。めずらしく…)。
キャベツをいっぱいつけあわせたくなったのですが、これには娘はブーイング。
三浦のおいしい春キャベツを食べさせて、キャベツのおいしさにもめざめてもらわないと。
こんなよい気持ちが、夜のニュース番組の特集で急激にダウン。
安売りスーパーへの取材。本日の目玉商品「豆腐1丁10円」!
こんなことするから、正当な価格がわからなくなる。
くらしの大変さはわかります。それを政治が解決しないといけないことも。
でも、大型スーパーのやり方は目に余る。
作り手の誇りは、生産者への敬意はどこに行ったのか!
「ルールなき資本主義」をこれ以上野放しにしたら、この国はダメになってしまいます…。
写真上は、みうら漁業協同組合、写真下は三浦市農業協同組合のみなさんと。