日本共産党 田村智子
コラム

【10.01.18】月曜日の特別な「お休み」

娘の診察で大学病院へ

三泊四日の党大会、続く日曜日も仕事で一日出かけていた私。
「どうして休みじゃないの?」の娘の猛抗議に、「月曜日が休みだから」とかわしていました。

月曜日、娘が定期的に診断受ける日で電車に乗って大学病院まで行きます。
診察後に学校に登校する日もあるのですが、今日は時間がかかりそうなのと、学年全体が学校外での授業になるというので、
「それなら合流するのも難しいから、休もうか」と相談していたのです。

上あごの形成不全の治療。
骨の一部がないため、自分の腰の骨の一部を移植したのが2年前。
その骨を土台にして、永久歯が成長をはじめ頭を出し始めたのですが、なんとも不思議なはえ方になっているのが分かり始めました。

「レントゲンを撮りましょう」
レントゲン写真をみながら、「これは乳歯を抜かないとだめですね」
とたんに娘の目に涙が…

これまでも「次に診察するときまでに、この乳歯が抜けていなかったら抜きましょう」と診察されたことがあったのですが、
娘の努力で(?)、自然に抜けて、抜歯を間逃れてきました。

「自然に抜けるというのは…」と、だめもとで聞いてみると、
「無理ですね!」と、きっぱり。
永久歯がまったく違う場所で育っているので、乳歯の根が吸収されずしっかり根をはっているというのです。

しかも抜歯は2本。
現在も矯正の金具が入っているので、金具をとって抜歯をして、また金具をつけるという作業が必要。
娘には気の毒ですが、「一度でお願いします」。

今日は学校を休める! おっかあと一緒にいられる! と絶好調だった娘の気分は急降下。
「がんばろう、それにまだ1ヶ月先のことだ」
帰り道、励ましながら歩いていると「私ってほんとに不幸だ…」

でも子どものエネルギーは前向きです。
先のことを考えるのはやめて、「何食べようか」「どこに行こうか」と、あっという間に笑顔に変わっていきました。

ランチを食べたお店では、サービスでオレンジジュースをだしていただき、しかもそのコップに透明の大きな氷がぜいたくに入っていて、それだけでご機嫌に。
「この氷、持って帰りたい」と、紙にしっかり包むほど気に入った様子。

紙ナプキンで包むと、なかなか溶けないものです。
それでも電車のなかで溶け始めたら大変だと、途中にあったお店の小さな噴水のなかに、まるで金魚でもいれるようにそっと離し、「バイバイ」

ところで、娘の「病気」は、かつて育成医療という国の医療費補助制度の対象でした。
現在も自立支援医療の対象ですが、所得制限が厳しくなり、補助の対象外となった家庭が多数あるものと思われます。

障害者自立支援法の誤りを民主党政権は認めたものの、医療については、見直しの対象外としています。
形成不全で生まれたのは、妊娠初期に体調を崩していた自分の責任ではと、娘の出産後何度も考えました。
「育成医療で、医療費の心配なく治療できますよ」と、産婦人科で言われたときには、「あなたの責任ではないよ。大丈夫。社会が支えるから」と言われているような気持ちになりました。

まして子ども本人にはなんの責任もありません。
痛い思いをするだけでも、子どもにとっては大きな負担。それだけで充分です。

障害者自立支援法のあやまりを新政権は認めています。
「障害者自立支援法は憲法違反」と、裁判に訴えている原告団と、新政権の合意文書も発表になりました。

ところが、来年度の予算は、負担をもとにもどすこととは程遠い。
さらに育成医療の復活は、まだ棚上げされたままです。

動き始めた政治をさらに前に。中途半端は許さない。
それは、候補者という立場を離れても、私自身がどうしてもやらなければならない仕事なのです。