日本共産党 田村智子
コラム

【09.12.24】「ちば派遣村」に参加しました

炊き出し、血圧測定、衣料提供・・・ボランティアの力はすごい

 
朝10時過ぎ、柏駅の改札を出ると「なんでも相談を」と呼びかける声が駅構内にも響いてきました。

駅前のデッキの上に大きな横断幕、そしてテント、机が並びます。
「ご苦労様です」、法律事務所、労働組合、医療関係、市民団体、実行委員会のみなさんに声をかけながら、私もビラまきに参加。
NHKの取材クルーもきていました。

駅前は相談窓口で、別に会場をとってあたたかい場所で相談に応じているとのこと。
駅から歩いて3分ほどのビルの一室。
中に入ったとたん、たくさんの衣料品に目を奪われました。
下着、靴下から外套まで。きれいに洗濯やクリーニングもされています。
ボランティアのみなさんの底力をみる思いです。

 
午後は、千葉駅前の相談活動に合流しました。
まずは駅前での相談受付。
「年金が少なすぎて」という女性としばらく話をしました。

子どもが小さい時に夫と死別。世帯主となって一生懸命働いたそうです。
「でもね、女性の給料は安いのよ。パートだと厚生年金にもいれえもらえなかったし…」
「せめて世帯主の女性の給料は男性と同じにしてほしい」

年金の引き上げを民主党はやってくれるのか、等々、しばらくお話をしました。
「話を聞いてほしい」、その思いに答えるのが大切なことだと、何回も街頭相談にとりくむなかで学びました。

気持ちが落ち着いたこの女性にスタッフが「おにぎりもありますから、よかったら食べていってください」
それからしばらく、おにぎりをほおばるこの方の姿がありました。
年金生活で食費も節約につぐ節約なのでしょうか。

年金の底上げ、すぐに解決できない相談です。
その切実な思いを実態を胸に刻んで、政治にむかわなければならないんだと思います。

 
千葉での相談も、市民会館に別会場をとっていました。
そちらに伺うと、ちょうど新規の相談の方がみえました。私も担当させていただきました。

生活保護を受けることになり、自分でアパートをさがした。
どうも不動産屋と大家を信頼できない。
次々に物を買わせようとする、借金を増やさせられそうで不安でならない…。

一緒に話を聞いた党市議の野本信正さんが、具体的なアドバイスをして「安心しました」。
せっかくだからと「お仕事はどんな仕事を探しているのですか?」と尋ねて見ました。
「なんでもいいんです。とにかく自立できる収入をえたい」

これまで相談活動でであった皆さん、ほとんど同じ答えでした。
これが現実。けれど、本当は「自分の力をこういうところで生かしたい」という思いがあったはず。

「これまではどんなお仕事を?」
「飲食店を経営していたんです。タイにも店を出しましたが、盗難にあって財産のほとんどを失ってしまった」

店のオーナーだった時代にの店の広告(版下でした)、雑誌で紹介された記事。
タイでのお店時代の写真。
ファイルにして持っておられました。

私は相談活動のとき、こういうお話をできるだけお聞きしようと思っています。
おいつめられて相談にこられる方にも「生きてきた誇り」がある。
それを知りたいのです。

私たちの活動は「お助け活動」ではない、というのが私の信念。
人間としての誇りある生き方を応援する活動ではないかと思うのです。
だからこそ、目の前のこの人の「誇り」を知りたい、応援したい。

クリスマス・イブ、住まいがない方にとって、街のイルミネーションはどんなふうに見えるのか…。
「誇り」のかけらさえも奪いかねない事態。せめて住むところを、あたたかい布団を、食事を。この最低限の保障になぜ本格的に政治が乗り出せないのか、このもどかしさ。

「相談にこられた方が、自活できる仕事に就けるところまで支援が必要」
1年間かけて相談活動にとりくんできた誰もが感じていることです。

緊急シェルターは、今年は国と東京都が国立オリンピックセンターに設置する。
大きな前進です。昨年末から今年初めの「派遣村」以来、政治を動かしてきた成果です。
でもこれはほんの一歩。ここからさらに道を切り拓かなければ!