コラム
【09.12.18】「大島の平塚らいちょうに」とわきあがる拍手
「女性のつどい」で2時間語り合いました
大島2日目。朝7時の朝食で始まりました。
テーブルにつくと、民宿の店主の小池さんが、他の宿泊客に堂々と私たちを紹介。
「昨日の演説会には270人が集まりました。人口比でいえば、本土の東京で30万人集めたのと同じです」
実は宿泊客の方のなかからも何人か、演説会に参加していただきました。
お礼もこめて小池晃参院議員と一緒に、深々とお辞儀をして、あらためて「いただきます!」
小池議員は、朝一番のセスナ機で島を出るとのこと。
その前にぜひ大島をみてくださいと、車で三原山に向かいました。
海の向こうは絶景の富士山。
活火山三原山は、黒い砂漠の風景。異国の地に立っているようです。
火山灰が一日にして草原を埋め尽くし、「裏砂漠」と呼ばれる光景をつくったとか。
飛行場で小池議員と別れ、私は「女性のつどい」へと向かいました。
会場となった時得孝良町議のお宅では、すばらしい手作りケーキとあたたかい拍手で迎えられました。
紫芋のケーキと紅茶をいただきながら、止まることのない懇談がスタート。
私はほとんど聞き役となりました。
「バスがせめて一時間に一本にならないか。病院に通うのに、時間がかかりすぎて結局タクシーを使うことになってしまう。わずか3、4万円の年金のなかから出すのは、本当にきつい」
この声に大きくうなずくみなさん。
高速道路を無料化されても、カーフェリーももちろん高速道路もない島にはなんの恩恵もありません。それより生活の足を保障するために、国も支援ができないのか。
話は民主党の政策への不満にも。
高校を卒業すると9割以上の若者が島を出ざるをえない現実。
島の産業が、土木に頼ってきたためにおきている弊害。
川のない大島で山を崩したら、島の保水力がおち、海洋汚染にもつながるのでは。
話は身近な生活のことから島の未来を憂う意見から、とにかく話し出したら次々と意見が飛び交うのです。
そんななか、一同がしーんとしたのは、70代の女性の意見です。
夫のがんが再発し、大学病院での診察に同行した時の経験です。
医者はこういったそうです。
「76歳ということなので、まずお聞きします。治療をしますか、治療しない選択もあります」――これが後期高齢者医療制度なのかと思い知ったというのです。
たしかに「延命治療」をするかどうかを患者の家族にたずねる、これが国が求めるやり方です。
さらにこの女性は、治療を選択してからも、松竹梅のメニューをみせられるように、治療方法とそのために必要な医療費をいくつか示されたそうです。
これが命の格差でなくてなんなのか!
介護保険の問題でも「よくわからないことが多い」という意見。
話していくうちに、「私たちがもっと制度を知らないとだめだ」という声もあがりました。
そして2時間がたつころには、「学習会をやろう」「大島を変える勝手連をつくろう」「私たち一人ひとりが大島の平塚らいちょうになって、女性の声で政治を変えよう!」
大きな拍手が何度もわきました。
民主主義の原点をみる思いでした。
そして私を送り出すかたわら、学習会はいつできるか、という相談も始まっているのです。
これから、大島で何が起きるか、楽しみにしていますよ!
風が強く、東京への船便はすべて欠航の知らせを受け、予定を変更。
熱海行きの高速船に乗ることにしました。
時間に余裕ができたので、もう少し大島をまわれることに。
それならぜひみせたいところがと案内されたのは地層のうねりがはっきりみえる道。
火山活動によっておしあげられたのか、プレートのもぐりこみか、
裏砂漠に続く未知の光景に圧倒されました。
みなさん、ぜひ大島へ観光でわたってください。私も家族で必ず再訪をと思っています。
最後に「ぜひ記念写真をとりたいポイントがある」と私がお願いしました。
街中に張られている、演説会の案内ポスター。
この前で写真をとらなければ!
港についたのは、出航30分前。
わざわざ見送りにきてくださった方が何人も。
本当に充実した2日間でした。大島のみなさん、ありがとうございました。