日本共産党 田村智子
コラム

【09.12.05】地酒、いのしし肉、しぼりたて牛乳

神奈川収穫祭で至福のひと時

 
収穫祭、ネーミングからしてなんとも魅力的な集会にお招きいただきました。
横浜市は、輸入食材の水揚げの地でもあります。
野積みにされた輸入食材、衛生上の問題、農薬の問題など、水際で告発の運動が起こったのが1990年代の終わりです。

米の輸入が本格的に始まろうとしていた時代。
食の安全を訴えて、港湾で働く労働者、日本の農業を担うみなさん、安全な食糧を求める消費者の連帯が横浜から全国に広がったといっても過言ではありません。

収穫祭は、そうした運動のなかでつくられた食糧と農業・国民の健康を守る神奈川会議のみなさんが毎年開催している魅力的な集会。
初参加の私も、当時の運動の広がりは鮮明に記憶しています。

「いのししの肉がおいしいから」と、案内してくださった大森猛さん。
党南関東ブロック事務所の所長さん、私が国会秘書時代に、衆議院議員として活躍されていた方です。

会場の横浜市従会館、玄関ではバーベキューの炭火が迎えてくれました。
「いのししの肉を焼いたんですよ」――期待が広がります。
養殖のいのししではなく、現役の猟師さんが山でしとめたのだとか。

部屋に入るとテーブルいっぱいに農水産物の花が咲いたようです。
横浜市内の養豚農場から添加物なしのウインナー、炭火で焼いたいのしし肉、
市内の小学校の給食職員のみなさん手作りの揚げパン、
津久井の農場から今朝しぼったばかりの牛乳などなど。
神奈川産、国産にこだわった品々には、作り手の誇りがあふれているようです。

 
食べてばかりではなく、来賓としてのあいさつも一言。
まずは、食の安全の世論と運動を広げたみなさんへの敬意を心からあらわしました。

かつてNHKのみんなの歌で、「いただきます」という歌が流れていました(タイトルはうろ覚えなんですが…)
食物連鎖を歌いながら、魚や肉を「いただく」人間を描く歌。
「いただきます」は、命を「いただく」、自分の命にしていくという内容で、その深さに感嘆したことをよく覚えています。

命をはぐくむのが「食」だということ。
ここから離れて、利潤のため、「安上がりに」「効率よく」では、
心をこめて「いただきます」と言えるのか。

私の命につながり、私の子孫の命につながる、
生産者や食を扱う職業で働くみなさんには、命を育む誇りがあるはずです。
その誇りを大切にする政治にしなければ。

理屈はともかく、とにかくおいしいものをいただくのは、なんとも幸せな時間です。
次の会場は、横浜から相模原。
ゆっくり交流することができなかったのが残念…。

「来年はぜひご家族でいらしてください」
ぜひぜひそうしたい!
日本の食文化を、農業の大切さを、子どもたちにも自分の舌でしっかりわかってもらたいと心から思います。

 
相模原では後援会総会であいさつ。
そして、西から東への大移動で、千葉市へむかいました。

千葉労連、結成20周年のレセプション。
結成当時は、ベルリンの壁が壊され、東欧・ソ連が崩壊していった時代。
労働組合はなくなるとまで言われていました。
しかし、今、たたかう労働組合が切実に求めれらる時代となったこと、感慨深く、みなさんが語られました。

組合つぶし、労働者をまもる法律を骨抜きにする政治、これが、労働組合だけでなく、日本の社会を壊すものだった――時代はさらに動いているのです。
結成30周年は、どんな時代になっているか。
参加されているみなさんにあいさつしながら、心がうきたつ思いでした。
ハードな一日でしたが、なんとも中身のこい一日でもありました。