日本共産党 田村智子
コラム

【09.11.24】渋谷はハローワーク前でアンケート

「求人はほとんどない」の声が次々

 
朝9時、ハローワークの業務開始とともに、党東京都議団のアンケート活動が始まりました。
足早にハローワークに向かう方々に、「アンケートにあとでご協力下さい」「なんでも相談もやっています」とチラシを手渡します。

10時前くらいからでしょうか、アンケートに足をとめてくださる方が増え始めました。
「希望する働きかたは?」「正社員」と答える方はもちろん多い。同時に「なんでもいいから、とにかく仕事につかないと」と切羽詰った方も。

大きな袋を持って建物を出てきた方の様子が気になりました。
もしかして住まいがないのでは?
アンケートの声をかけると協力してくださいました。思ったとおりです。
今年初めの街頭相談で、同じように大きな荷物を抱えた方に何度も会ってきました。
そのときのことを思い出してしまいます。

「今、住むところは…」「ホームレスです」
建築関係仕事で会社の寮に住んでいたとのこと。会社が不況で立ち行かなくなり、職と住まいを失ったのです。
東京都の緊急宿泊施設や自立支援センターにも入所していたそうです。
しかし、仕事を見つけることができないまま、住まいももてないまま、退去期間となった…。

なんのための「自立支援」なのかと、悔しさ憤りがこみあげます。
一人の人の人生に寄り添うシステムになっていないことは、これまで痛いほど実体験したきました。

ハローワークでは、11月30日に仕事と住まいの相談を同時に受けられるように「ワンストップサービス」を行なうと、鳴り物入りで鳩山内閣が宣伝しています。
必要な施策です。しかし、それで終わってはダメなことはみんなが感じているでしょう。
住まいの確保、何より仕事の確保に、国も自治体も本気で乗り出すときです。

ハローワークの職業紹介も、もっと一人ひとりの条件に寄り添えないのか、アンケートをとりながら考えざるを得ませんでした。

聴覚障碍をもつ若い女性、「障害者雇用枠で紹介されるのは事務職ばかり。電話がとれない私には無理」――当然です。
彼女は、同じ障碍をもつ子どもたちと関わる仕事につきたいのだと筆談してくれました。
夏休みには塾で子どもたちを教えているとも。
夏休みだけでなく、日常的に、こういう仕事をしたい。
その仕事は社会に必要なものでしょう。けれど、ハローワークではなんともならない…。

母子家庭で3人の子どもをもつお母さんは、「子どもが3歳で、保育園に入っていなかったら働くのは無理でしょうといわれてしまう」。
自治体の窓口では「働いていないなら、保育園には今は入れない」と門前払い。

派遣で職を探しているという女性。
「40代になると採用がほとんどない」
結婚し、子育てとの両立が難しく正社員として働いていた会社をやめ、以来、派遣で仕事をしてきたそうです。
「派遣法の改定で派遣で働けなくなるのは困る」という彼女。
よく聞けば、子育てと両立させられる労働時間は、派遣でないと無理、という実情があるのです。
「もちろん、正社員で時間の配慮をしてもらえるのが一番いいです」

解決の方向はみえている。
ゆとりもって働ける、その分働く人を増やす、保育所も定員にゆとりがあるくらい増やす。
なぜその方向が開けないのか。

アンケートには57人の方が協力してくれたそうです。
都議団はこの調査を12月の都議会の質問に生かして、必要な対策を求めることになります。
私も、寒さのなか協力してくれた方々の声にこたえるべく、がんばっていきます。