日本共産党 田村智子
コラム

【09.05.21】30人学級の実施を東京都に要請

都教育委員会の不真面目さに怒り爆発

東京だけが頑として実施しない「少人数学級」。
何度目の要請行動でしょうか。
会場となった都議会の会議室には100人を超えると思われる要請者がつめかけました。

午後1時30分、東京都教育庁のメンバーが着席し、要請行動がスタート。
「要請文はわたしていますので、まず回答を」と、司会を担当する古舘和憲都議。
「今日は、みなさんの要望をお聞きするということですので、回答ではなく、現状ということでお話します」と、教育庁の総務課長。

「生活習慣を指導する、切磋琢磨するためには、一定規模の学級が必要と考えるので、学級定数40人とする」
淡々となんの根拠もなく、少人数学級編成を否定する説明に、みんなの怒りが広がっていくのが会場の雰囲気で伝わってきます。

開き直りともいえる説明が終わると、みんなの怒りが爆発しました。
「説明になっていない。40人がいいという根拠はなにか」
「子どもたち一人ひとりに目が届くと思うのか」
「自治体からも、校長会からも、繰り返し少人数学級の要望が出されているが、どう検討されているのか」
火がついたような追及が続きます。

みなさんの意見に、私も怒りを抑えられなくなりました。
説明のなかで、区市町村が費用負担をして少人数学級を実施することを認めるように求める内容がありました。
「どういう状況を言っているのかわかりませんが…」と前置きして、「認められない」と説明した教育庁の説明が、とりわけ私の怒りの炎に油を注ぎました。

国会秘書時代(10年以上前のことです)、長野県小海町が、町で教員を雇い(人件費をすべて町費負担とし)、35人を超えるクラスを2つにわけて授業をしていました。
これを長野県教育委員会がつぶしにかかり、小海町の教育委員会に「文部省に謝罪しろ」とまで迫った「事件」がありました。

これが国会でもとりあげられ、少人数学級を都道府県の判断で実施できるという道を拓く力にもなったのです。
小海町のケースも、県が雇った教員でなければ学級担任はできないが、授業は少人数で行なうことができる、という結論になりました。
朝のホームルームは1クラス、その後は2クラスに分かれての事実上の少人数学級になったとき、私たち文教委員会担当の秘書も、本当に喜んだものでした。

他県では、東京都の中でもほとんどの自治体が、どうしたら子どもたちの教育を充実できるか、どうしたら少人数のクラスにできるか、知恵も工夫もつくしてきたのがこの10年でした。
国でさえ、学級編成の権限は国ではない、都道府県の判断でよい、と譲歩した。
それなのに、東京都教育庁だけが、旧態依然、なんの検討もしていないこと、説明のなかで暴露されたとしかいいようがありません。

私たちのこれだけの追及に、追い詰められた一人が、
「規模の大きな学級がいいという意見もあります」と説明。
これがまた、怒りを広げました。

「そういう意見が何年間に、何件があがっているのか説明すべきだ」
「何件という数字をもちあわせていません」
「日本共産党都議団にあとでいいから責任持って報告してほしい」
「そういう声を聞いているということで、報告できるようなものを持っていない」
「正式に文書で意見が届けられているということではないのか」
「声として聞いているということ」

みなさんは、誰のために仕事をしているのですか?と真面目に聞きたくなりました。
そのうえ「要望を聞くから、回答はしない」と言いながら、
まじめに出された要望をメモもしていなかった。
結局、私たちの要望は右から左に受け流しておしまい、ということなのか。

怒りが収まらないうちにタイムアップ。
帰る道々、冷静になって考えると、東京都教育庁は陸の孤島にみえてきました。
世界も、他県も、都内のすべての自治体でも、現場の学校でも、
少人数学級への動きがどんどんつよまっていく、そのなかで歴史の遺物となった教育庁だけが昔の考え方にこり固まったままでいる。

問題はその教育庁を応援している、都議会の政党・政治家がいるということ。
自民党・公明党だけではなく、国政では「30人学級」と言いながら、都議会ではその主張もしない民主党。
そればかりか、「30人学級に踏み出すべき」と求める日本共産党に「教育行政への介入」「恐るべき体質」と、悪罵をなげつけてきたのは民主党の都議です。

東京都政で私ががんばる意味が、むくむくと形になってみえてきました。