日本共産党 田村智子
コラム

【09.02.23】東京労働局へ、そして記者会見へ

雇用破壊を食い止めるために要請・アピール

 
港区海岸、地名の通り東京湾の入り口です。
レインボーブリッジが見渡せる場所に東京労働局需給調整部がありました。

「需給調整」この名称に、派遣労働が「雇用」ではなく「供給」「調達」であることが赤裸々に示されています。

2月4日の志位委員長の国会質問を、企業にも労働者にも徹底してほしい、違法な「派遣切り」を未然に食い止める行政指導を強めてほしい、
今回の要請はこのことにしぼって行ないました。

3年を超える業務を派遣で行なっている場合、「一時的臨時的」とはみなされず、企業は直接雇用を労働者に申し出る義務がある。
3年のカウントについて、詳細に明らかにした志位質問のすべてを東京労働局は「その通り」と認めました。

「現場ではこの主旨で監督業務を行なってきました。国会で大臣がどう答弁するか、私たちも注目していたところです」
そんな説明もありました。

質問で明らかにしても、労働者にこのことが伝わっていなければ、違法だとわからないまま「雇い止め」にあってしまう、労働者への直接の周知徹底を根本的に改善してほしい。
口頭での要望はこの点に集中しました。

海岸庁舎の入り口を入ると、「なくそう偽装請負」の文字が躍るポスターが目に入りました。
このポスターを町で見たことはありません。
どうしたら直接、派遣労働の人たちに伝えられるか。

「コンビニ、ホームページ、駅などの公共施設」、若者たちの目にとまるところに宣伝物を。
繰り返し求める私たちに、「国と相談して検討します」とのこと。

実態が切迫していることは認めました。
3月の大量首切りを未然にふせぐ、そのために考えられる手立てをすべてとる、それが今労働行政になによりも求められていることでしょう。

昼前、東京労働局をあとにして、午後から都庁内で行なわれる記者会見にのぞみました。
労働局への要請とほぼ平行して、都議団が副知事に申し入れをしていました。
職も住まいも失った人たちに、都営住宅を開放してでも、住まいを保障すべき等々。

記者会見では、この要請の内容とともに、これまで私たちがとりくんできた相談活動の一端を紹介しました。
「所持金もほとんどないという相談者が、自治体の紹介で一時保護施設に入所したが、施設の環境があまりに劣悪。南京虫が大量に発生しているところまである」

記者会見は演説ではないので、たんたんと実態を伝えることになりましたが、
胸のうちでは「人間の平等が問われているのだと、わかってほしい」「あなたなら、南京虫やダニのわく雑居部屋に入れられたらどう思うか」と記者に伝えたくて仕方ありませんでした。

1月から2月半ばまでに、都内の日本共産党によせられた相談はわかっているだけで約200件。
命や人生がかかった相談が、こんなに寄せられるとは!

事態の深刻さを直視し、この困難をどう解決するのか、行政もマスコミも、そして市民のなかにも知恵と手立てをつくすことが必要です。

(この要請は、党都議団と党東京都委員会が行ないました。
労働局には、谷川智行・池田真理子比例予定候補、清水秀子・小竹ひろ子都議、民青同盟の香西都委員長が同席しました)