日本共産党 田村智子
コラム

【09.02.20】「派遣切り」許すなの宣伝スタート

新宿駅西口での街頭宣伝

 
夕闇迫る新宿にのぼり旗が目をひきます。
「人間らしい雇用を守るルールを 日本共産党」
空前の雇用破壊を食い止めるために、今ががんばり時です。

2月4日、志位委員長の国会質問(衆議院予算委員会)は、今の「派遣切り」が違法性の強いものであることを、事実にもとづいて告発しました。
この質問を現場に生かさなければ。

「3年以上、同じ会社で派遣で働いているみなさん。みなさんに、派遣先の会社は直接雇用を申し出なければなりません。雇い止めをするのは法律違反です」
質問の内容を口頭で伝えるのは難しいかな、そう思いながらも一生懸命話しました。

現役世代の男性の足が止まります。あっちでも、こっちでも。
チラシを受け取るために、宣伝隊に近づく人がいます。何人も。
このなかに、「雇い止め」にあった人がいるかもしれない。
仕事を失う不安に駆られている人がいるかもしれない。

今、仕事を失うことは住まいを失うことに直結しています。
家賃も物価も高い東京、収入を絶たれたら、坂道を転げるスピードは驚く速い。
そして住まいを失ったら、もう一度、自分の住まいを持つことが本当に難しくなってしまっているのが現実。
そのことを何度も思い知らされてきました。

昨日、「ネットカフェ難民」というHさんと一緒にある自治体の福祉事務所に行きました。
私の力不足、勉強不足があったことは否めません。
生活保護をまず受けて民間アパートを確保しよう、というレールにのることができませんでした。

ホームレス対応の一時保護施設で2週間から1ヶ月、
それから自立支援センターで最長4ヶ月、
その間の住居費、食費は必要ないので、仕事を探してお金を一定ためて住まいを持ちなさい。礼金・敷金の半額は出しましょう(上限あり)。
ただし一時保護施設は50人以上が入居待ち状態なので、申し込みから3週間ぐらいは必要です。

一時保護施設も自立支援センターも雑居です。
一時保護施設は門限があって、入居中、仕事をしてはいけません。
自立支援センターは住民票をおけるので、そこを住所にして求職活動を。

「収容されるのか」というのが率直な感想とHさん。
仕事をしてはいけない、今の派遣会社からの日雇い派遣の紹介を断り続けたら、仕事がこなくなるのでは・・・。
そのレールにのって、正規の仕事につく保証があるのか、という不安。

この間、生活保護申請を受理された人も、住まいを失っていると同じレールに乗らざるを得なかった人が何人もいるようです。
劣悪な施設もあり、南京虫、ダニが出ることが問題になったことも。

人間としてあつかっているのか、考えるほどに、知るほどに、問題の大きさに頭の中がぐるぐるしてきます。

これ以上、路頭に迷わせる人を増やすわけにはいかない。
住まいを失っていい人、仕事を失っていい人は一人もいない。
人間の平等が、こんなに踏みつけにされている事態に、どうしても立ち向かわなければなりません。