日本共産党 田村智子
コラム

【09.02.13】「住居喪失」から抜け出すために

街頭相談活動のその後

待っていたメールがきました。
日雇い労働・ネットカフェ暮らしのHさんから、平日休みがとれそう、というメールです。

昨年末に出会ってから何度か話をしてきました。
東京チャレンジネットに一緒に行って、生活資金貸し付けは難しいという現実をつきつけられ、絶望を味合わせてしまいました。

区役所でも門前払い、安定した仕事につきたくても住所がない。「この袋小路から抜け出すのは無理だ」と思わざるをえない状況が続いていたのだと思います。
「身体を壊して働けなくならないと生活保護は受けられない」とも言っていました。

彼が生活再建する道はどこにあるか、私も現行の支援策を調べたり、地方議員の意見を聞いたりしてきました。
そして10日ほど前、こんなメールを送りました。
「生活保護は働けない人しか受けられない、というやり方が続いていましたが、急速に運用が変わっているところです」
「法律上も生存権を保障する制度としてつくられたのですから、本来の姿にするためにも協力してください」

Hさんからは「生存を保障する制度と書いてありましたが、これが本当に対応してもらえるなら、日雇い派遣の人たちも、かなり救われると思います」と返信。
その後も何度かのやりとりで、生活保護申請をしてみようと決意してくれたのです。

彼は、一見「明るいネットカフェ難民」です。
初めは「生活保護を」とすすめるかどうか、私の中で迷いがありました。
「自分の力ではいあがる」という気丈さ、日々の仕事を自力で獲得している生きる力を感じていたからです。

けれどやっぱり「住居喪失」のつらさは、私の想像を超えるものだったと思います。
生活保護申請をしてみよう、と話をした日。別れ際に言われた言葉はつきささりました。
「本当に私は住まいが持てると考えていいんでしょうか」
チャレンジネットで「希望→絶望」を感じたというHさん、同じことにならないかと危惧したのでしょう。

申請の決意はしても、今度は平日の仕事をやすめるかがわからない。
休めば収入がなくなるから、少しでもお金をためておかないといけない。
日雇い派遣、日雇い労働のみなさんの道のりの険しさを思い知らされます。

来週、生活再建の再チャレンジです。
「自分が住居を持てれば、自分の友達にも希望を示せる」
希望の輪を広げるために、知恵も力もつくそうと思います。