日本共産党 田村智子
コラム

【09.02.03】国会中継をラジオで聞きながら

とうとう始まった「消費税大増税」の合唱

小泉内閣が「消費税をあげない」と言った事が間違いだった――耳を疑うような質問に驚きました。
自民党の野田毅議員の衆議院予算委員会の質問です。
冒頭で自民党幹事長時代の小沢一郎氏の本を掲げて「消費税10%を主張している」と、民主党をけん制しているのには苦笑してしまいます。

続いて登場した田野瀬良太郎議員の質問はあまりの「えげつなさ」にラジオのスイッチを切りたくなりました。
「定額給付金を心待ちにしている人が大勢いる」
「祖父母、両親、子どもという家庭では10万円の給付になる。これにお金をたしてプラズマテレビを買いたいという人もいる」

「現金をあげますよ。さあ手を出してください」といわんばかりの言葉にげんなりして来ます。
暮らしがこれだけ大変なときです。収入が増えれば助かるのはほとんどの家庭でいえること。
それでも世論調査で7割が「遣い方がおかしい」とこたえているのです。

さらに続いて、国の借金を家庭にたとえて「破産寸前」「消費税はゆくゆくはあげなければならないなと、みんなうすうす感じている」とまくしたてるとは!

だれが赤字を作ったのか、どうして赤字になったのか、与党の議員として何にも心が痛まないのでしょうか。
軍事費と無駄な公共事業に湯水のごとく予算を遣ってきた事が「大赤字」の最大の原因ではないのでしょうか。

国と家庭の経済はまったく違います。
家庭で組めるローンはせいぜい30年。
国は今の赤字の返済を30年で完済する必要はまったくないし、財産の考え方もまったく違ってくるでしょう。

とうとう「消費税大増税」の大宣伝が始まるんだ、予感させる質問でした。
これからマスコミもあげてのキャンペーンが始まるでしょう。

消費税がつくられた当時は「直間比率の見直し」とすべての新聞・テレビが騒ぎました。
直接税の比率を下げて、間接税の比率を上げるのが、これからの税制のあり方だという主張でした。
この主張が正しかったといえるのか、その検証さえされていません。

今度は「財政赤字」キャンペーンでしょう。
赤字の要因はなんだったのか、税金のあつめ方・遣い方のまともな検証が行なわれるかどうか。

私には「どんな理由を持ち出そうとも消費税増税を認めるわけにはいかない」という強い信念があります。
一日にお弁当一つで暮らす人がいます。昼食は菓子パン一つという学生もいます。
そのお弁当に菓子パンに税金をかけることがどうして許されるのか。

痛ましい餓死事件。
その人が最後に買って食べたものにも税金がかかっているのです。
餓死の間際まで税金を徴収する、そんな政治が許されるのでしょうか。

今やるべきは、消費税増税の議論ではない!
むしろ、最低限の生活に税金をかけない、せめて食料品の消費税を非課税にすること!
大反撃のときがやってきました。