日本共産党 田村智子
コラム

【09.01.24】若者たちに日本共産党綱領を語る

「情」が先に立つ講義で・・・

50分で4コマ、2時間近い時間をとっての綱領学習の講師。
いや〜、緊張しました。疲れました。

候補者の演説は長くても15分くらい。
いろいろな「つどい」でも、1時間か長くて1時間半。
4時間近く、資料もつかっての本格的「講義」は、20代の頃に1回やって以来かな。

資料を作るのに苦労しました。普段から資料整理していればいいのにと、こういう時に思うのですが、山のようになった切抜きやコピーと格闘し、ようやく形にしたのは前日の夜9時前。印刷のため事務所に待機してくださったHさんに「お待たせしました」と頭を下げました。

10代、20代の若者たちに何を伝えるか、これが私の問題意識。
理論的なものは、本当は自分で書物にあたって学び、考え、自分のものにしていくのが基本だと私は思っています。
その意欲をもってもらうことが、講義の目的の一つのようにも思えます。

今回の講義は、私自身が20代のとき学んで衝撃を覚えたことを伝えるような内容になりました。
たとえば、日本共産党の創立までの歴史。躍動感あふれる民衆の運動、2万人のデモ行進にまで発展した造船所のストライキ。
「人間になりたい」と切望した労働者の要求にこたえる初めての政党が日本共産党だったこととなどなど。

「アメリカいいなり」の歴史。
沖縄の「銃剣とブルドーザー」による土地収奪。
安保条約の国会承認は、その議事録さえ残っていないこと。

70年代の公害、物価高を引き起こした財界・大企業。
教育を「人材育成」と位置づけて、子どもたち若者たちの人間的成長をゆがめてきた経済界の思惑。

歴史にだいぶ時間をかけてしまったかな…でも、事実に裏付けられた改革の展望を実感としてつかんでほしい、というのが私の率直な思いでした。

こちらを見つめる目の真剣さ。
臆せず質問する姿。
私も「若い」方に入るのですが、それでも「未来」を感じますね。

質問にこたえ終わって終了。
大きな紙袋2つに本をつめこんで帰路につくと、ど〜と疲れが出ました。
今日は寝るぞ!と電車の中から、眠りについてしまいました。

この1週間、準備の時間をうまくとれず、それでも夜は眠いので布団に入り、夢のなかで講義の内容を考え、寝た気がしないで目が覚め。そんな繰り返しでした。

準備の追い込みの時には、子どもと話すこともほとんどせずに文献に囲まれ、パソコンに向かっていました。
学校から帰ってきた子どもが、「今日は家で仕事?」と聞いただけで部屋から出て行く、こんなことは、これまでなかったこと。
パソコンに向かっていても、話しかけてきたり、「遊ぼう」と腕をひっぱたりしてましたから。
きっと私の形相が、あまりに切羽詰っていたのでしょう。

講義をしてみて、自分の学習の足りなさもわかりました。
世界的な金融危機の根源にもっと迫りたいし、新しい政治の展望ももっと深めたい。
世界の劇的変化は、ニュースで聞きかじった程度。

「もうしばらくは講義は結構」とは思えませんでした。
ここをもっとこうしたら、そんなメモをとりたくなりました。
必要に迫られての学習は、やっぱり力になりますね。
そういう立場に自分を追い込むことも必要。
でもやっぱり疲れました…。