コラム
【09.01.06】内橋克人さんが帰ってきた!
朝のラジオ番組のことですが
朝7時前、久しぶりの名前、久しぶりのお声にはっとしました。
いつものNHKのラジオ番組。政治・経済についての評論の時間。
「内橋克人さんです」という紹介に続いて、内橋さんの落ち着いた穏やかな声が聞こえてきたのです。
すぐには評論に入りませんでした。
「お帰りなさい」というアナウンサー、感慨深げな内橋さんの応答。
実は昨年秋、突然の降板だったのです。
降板をつげるアナウンサーは「内橋さんのご都合で」と説明しましたが、私は懐疑的でした。
昨年の内橋さんの評論は、大変な迫力だったのです。
ずっと「外需頼みではだめ」「企業の利益を労働者犠牲のうえに打ち立てるのは間違っている」「構造改革で日本社会のゆがみがきわまった」等々の論評を続けていた内橋さん。
降板直前には「政府擁護ばかりを続ける御用学者はいらない」とまで言い切り、
マスコミの姿勢に対しても鋭い問題提起を行なっていました。
その内容、話しぶりは、政治を変えるしかないというやむにやまれぬ思いに満ちていました。
「降ろされた」そう思いました。
以前、教育評論家の方から、「教育基本法の改悪に反対の立場でコメントしたら、NHKの仕事をすべてキャンセルされた」という話をお聞きしていました。
その内橋さんが帰ってきた!
アナウンサーが、内橋さんが登場しなくなってからも、内橋さんへの激励メッセージがたくさん届いてたことを紹介していました。
目頭が熱くなりました。
これまで「御用学者」のようだった人たちも、構造改革批判を始めました。
「内橋さんが言っていたことだ」と何度も感じてきました。
元祖ともいえるご本人を無視することはできなくなったのでしょう。
内橋さんの話が終わってから十分くらいしてからでしょうか、
「お帰りなさい」のメッセージがたくさん届いていることも紹介されました。
またまた熱いものがこみあげてきました。
世論がマスコミの姿勢を変えさせている。
そうだそうだ、私たちには政治も、マスコミも動かせる力があるんだ!
朝食の席につく夫に「内橋克人さんがラジオ番組に帰ってきたよ」と、前後の脈略なく、おはようも言わずに告げると、一瞬、きょとんとした顔。
降板していたことを話すと、夫も笑顔に。
今年は何かが変わる、変えていかれる。確信が広がる朝でした。