日本共産党 田村智子
コラム

【08.12.25】丸めて捨てられた履歴書

練馬区内の街頭宣伝での出来事

午後1時30分から6時まで、練馬区内の駅前をまわっての街頭宣伝。
半日で6箇所というのは、私にとっては久しぶりの本格的な宣伝です。

最初のポイントの桜台駅で「事件」は起きました。
松村友昭都議に続いて、マイクを持って話し始めて間もなく、突然女性の怒声がしたのです。
宣伝への妨害かと、ふりむきましたが、すでに女性は立ち去るところ。

話し終わって、一緒に宣伝をしていたみなさんに聞いてみると、くしゃくしゃになった紙を渡されました。
広げてみると、写真まで貼られた履歴書。
「就職できないんだって怒鳴って、これを投げ捨てて行ったの」

写真は端正な顔立ちの若い女性。
経歴に目を走らせると、大学卒業後、派遣の仕事が数箇所。
最後の欄には「契約期間満了で退職」の文字。
しっかりした字体で書かれていました。

「人間をモノのように調達していていいのか」と、派遣切りに立ち向かう日本共産党と若者のことを紹介する話をしていたので、彼女の感情が爆発したのかもしれません。

驚きから、だんだんとてもとても悲しい気持ちになりました。
切なくつらい気持ちになりました。

正社員になれない年月が、どれほど彼女を傷つけてきたのか。
人生を傷つけられた痛みに、血が流れるような苦しみを感じているのではないのか。
立ち去らずに話しかけてほしかった…。

「履歴書に住所がありますか? ぜひ連絡とってみてください」
次の宣伝箇所で、地元のみなさんにお願いしました。

内定取り消し、派遣切り、就職氷河期の再来。
ニュースで流れる言葉のもとで、たくさんの人生が傷つけられている。
こんな世の中に黙っているわけにはいかないのです。
「あなたは一人じゃない」、そう呼びかけたくて仕方がありません。