コラム
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【08.06.24】学費問題で文部科学省と対決
30分の時間制限では「消化不良」だぞ!
年収400万円以下の世帯に、授業料免除制度をつくった東京大学。この方式を全国の大学に広げてほしい、奨学金制度を充実させてほしい等々の要請書をもって文部科学省へ。
秘書時代、通いなれたいかめしい建物。奥が真新しいビルになっていて驚きました。
もっとも案内されたのは、古い会議室。
部屋が狭く、集まった人が座りきれませんでした。
私たちの要望への回答は、つまるところ「財政事情があって負担軽減には踏み切れない」ということ。
個々の回答も、思わず抗議の声があがるような内容でした。
「返還の必要がない給付制の奨学金を」という要望には、
「借りたものは返すという、教育的観点もある」「返還したお金を次の奨学金にあてるというリレーが必要」という回答。
奨学金とは、経済的に困難な人でも進学できるように、というものですから、本来は給付が当然のはず。
欧米では、奨学金をスカラシップ、返還の必要があるものをローンと区別しています。
経済的に苦しい人は、大学卒業直後に借金を担っても仕方ない(しかも数百万円単位です)ということになれば、格差をますます広げることにならないのか。
高校卒業後、働く人もいる。税金をおさめているその人たちに対して不平等になるから、「学費を段階的に無償化」ということはできない、そうです。
そういう声が国民からあがっているのでしょうか。
学費の負担が、どれほどの影響を与えているのか、直視してほしい。
文科省の話を聞きながら、その思いがぐるぐると頭のなかをまわっていました。
早口の説明がおわると「時間の範囲で意見交換を」と担当者。
数人の発言のあと、「それでは時間ですから」と出された質問にもこたえずに切り上げようとして、さすがに「質問にはこたえてください」と押し返しました。
要請時間は30分、というのが文科省の方針。
そんなやり方をしている省庁をほかには知りません。
「とりあえずお聞きしました」と、いわんばかりの対応に何度腹を立てたことでしょう。
会議室を出て、早口説明のおさらいをするなかで、2010年度以降の国立大学の授業料標準額を引き下げる可能性について「さらっと」触れたことが確認できました。
説明最中は、あまりの早口に、聞き間違えたのかと思っていたのですが、
複数の人が「値下げ」という言葉を聞き取っていました。
学費値下げに言及するのは、私の活動経験のなかでも初めてのこと。
ここでも国民世論の反映を感じずにはいられません。
この行動の報告をかねて、早稲田大学での昼休み宣伝へ。
文科省からの移動手段は、なんと宣伝カー!
アナウンサーが乗っていなかったので、私と谷川智行さんがにわかアナウンサーに。
じつは、やってみたかったのです。
早稲田正門前、民青同盟の若者たちもリレーでマイクを握り、なかなか若者の注目度も高かったような。
私の番、こんなよびかけをしてみました。
「心のなかでは学費が高いと思っていても、日常の会話では話しにくいかもしれません。
でも、話してみれば、多くの方が高すぎる、なんとかしてほしいと思っているはず。
心の中で思うだけでは政治は変わりません。まず声に出してみませんか」
民青同盟のみんなが、早大の学生200人から集めたアンケート、
「私はいい」とペンをとらなかった学生が、友達が真剣に記入する姿をみて、「では私も」と記入してくれた、というエピソードを思い出してのよびかけです。
私が学生時代、日常会話では学費問題が話されていなかったけれど、
値上げ反対の学生大会には、予想以上の学生が参加して大きな運動になったのです。
梅雨の晴れ間の夏の陽射しに、宣伝カーを見上げる学生の顔が明るく見えました。
学生たちに、気持ちは伝わったでしょうか。