コラム
【08.06.11】「派遣労働を絶対に導入させない」
中央競馬会で働く従事員の労働組合の大会で
後楽園ゆうえんちの奥、JRAの黄色と水色の建物があります。
場外馬券売り場、窓がまったく見当たらないこの建物のなかで、各地の競馬の馬券が買えて、払い戻しもできる場所です。
ここを訪ねるのは昨年に続いて2度目。
日本中央競馬従事者労働組合の定期大会に来賓として招かれたのです。
馬券売り場で働くみなさん、圧倒的に女性です。
そのパワーは、私が知っている労働組合のなかでもトップクラス。
組合への組織率は75%、ストライキをしても賃金補償ができる積立金をもち、現場の声に徹して春闘・秋闘を構え続けています。
従事労のみなさんと話すたび、私は元気をもらいます。そして勉強になります。
土日勤務が基本の職場で、有給休暇、育児・介護休暇の制度をつくり、
65歳までの雇用を実現している、これだけでも本当に驚きです。
これも、組合組織率の高さ、団結力があってこそ。
今日も勉強になりました。
一つには、働く誇りを労働組合として重視していること。
接客態度の向上、新しい機械やシステムの学習、「私たちがいてこその競馬開催」と胸をはって働こう――働く日は週に2日であっても、私たちはプロとして働いているという誇りが
貫かれています。
来賓あいさつにも刺激を受けました。
なかでも女性労働者の問題に積極的にとりくんでいる中野麻美弁護士。
「派遣労働の導入を許せば、賃金の買い叩きがおきて、みなさんの給料も下げられていく。
ここで派遣導入を許してしまうのかどうか、正念場」
派遣労働の問題にもとりくんできた中野弁護士のところには、この数日、秋葉原での連続殺傷事件についてのコメントを求めるマスコミが何社もあるそうです。
「とても複雑な思いです」と中野弁護士。
派遣労働の問題と通り魔事件は別。
しかし、背景に人を物として扱う派遣労働の問題があるとすれば、これはもう放置できない事態でしょう。
中央競馬会も、売り上げ減が10年連続になり、外部の人間による「経営委員会」が立ち上げられました。
そのメンバーの一人が、トヨタ自動車の奥田氏。
リストラ、直接雇用の破壊の旗手ともいえる人物が座り、経費削減を求めることになれば何が起きるか。
だから団結、結束が大切。
そう言い切る力強さ。ほんとに元気をもらえます。
「女性ががんばるときよ。田村さんも背筋をのばして」
別れ際、歴戦の役員さんに背中をポンとたたかれました。
闘い、要求実現を勝ち取ってきたみなさんの言葉にはかなわないな。
私も団結の力を実感できる歩みをしていきたいと切に思います。