日本共産党 田村智子
コラム

【08.06.10】陽射しを受けての座り込み

後期高齢者医療制度と原爆症訴訟

 
雨にも、真夏の蒸し暑さにも負けない座り込みが続いています。
私も東京共同行動に参加して、みなさんと一緒に座り込みました。

6日に参院で可決した後期高齢者医療制度の廃止法案が、衆議院でどうなるか。
秘書時代の同僚が通りかかったので様子を聞くと、
「穀田さんがほえてるよ」とのこと。

衆院では、本会議での主旨説明と質問をするのか、それともすぐに厚生労働委員会に付託するのかを、議院運営委員会で協議することになります。
しかし、今回は、まだ議運の協議になっていない、というのです。
各党の国対委員長で審議日程をどうするのか、丁々発止のやりとりになっているのでしょう。

会期末目前、与党は、このまま審議もしないで「審議未了廃案」を狙うのでしょうか。
そこまで国民世論に背を向けるのかと思うと、腹立たしい限りです。

なかなか中が見えない国会の前で、座り込み部隊は次々にマイクを握って発言。
私も激励をかねて話し始めると、目の前の座り込みのみなさんが通りの向こうに手を振り始めました。
後ろを振り返ると、修学旅行か社会科見学の若者たち(中学生? 高校生?)の姿。

「座り込みやってま〜す。お年寄り差別の医療の制度、後期高齢者医療制度をやめさせようという行動です。政治の勉強していってくださいね」
私も手を振って、よびかけました。

「今日の行動には、ニュースで座り込みをやっていることを知ってかけつけてくださった方も参加しています。埼玉からいらしたご夫婦です」
という紹介もありました。
行動の広がり、怒りの広がりを実感する瞬間です。

正午までの座り込み行動が終わると、今度は、厚生労働省前へ。
谷川智行さん(衆院比例東京ブロックの予定候補者)が、被爆者のみなさんの座り込みが再スタートしているから、一緒に行きましょう、と声をかけてくれたのです。

被爆者の方がガンなどを発症し、原爆症申請をしても、被爆した場所等によって認定却下するケースが続発。
命の線引きをするな、と裁判に訴えて、国の敗訴が続いているのです。

先週の座り込みの場所に到着すると、雨にそなえて、ビニール傘にスローガンをはりつける作業を続ける方々の姿がありました。
「一歩ずつ動かしていますね」と話しかけると、少し暗い顔で、舛添厚生労働大臣がこう言っている、と伝えてくれました。
「上告はしないが、全員救済もしない。認定基準の見直しもしない」

それではなぜ裁判をやめるのか。
国の基準で認定外の人たちを「認定すべき」とした判決を受け入れるのならば、
基準そのものに根拠がないと、国も認めたことになるはずです。

これ以上の裁判を闘わせることは、高齢の被爆者のみなさんにあまりに過酷。
だからといって、こんな開き直りを認めるわけにはいきません。

全国からかけつけている弁護団の方とも言葉をかわしました。
「短期間で必ず国を動かす。何年もかけて、という闘いにするつもりはない」
言葉の端々に怒りがにじみ出ていました。

激励にかけつけた「うたごえ運動」のみなさんが歌う「ヒロシマの有る国で」が、静かにでも力強く響くなか、
みなさんと握手を交わし、歌をくちずさみながら、厚生労働省前をあとにしました。

(上の写真は、国会前の座り込みの様子です。撮影は、谷川智行さん。ありがとうございました。)