日本共産党 田村智子
コラム

【08.06.06】法案可決! 笑顔の議面集会

後期高齢者医療制度の廃止へ

 
朝9時45分、厚生労働省前の交差点は真夏を思わせる陽射し。
その一角に、キャンプを思わせるドーム型のテントが人目をひいています。

高齢者のみなさんの怒りの座り込みは、2泊目を終えて今日が最終日。
私と谷川智行さんも一緒に座り込みました。

目の前にはテレビカメラと、マイクをもったアナウンサー。
テレビ朝日の中継とのこと。
隣に座った福井典子さん(中央社会福祉協議会の重鎮です)が、「昨晩もテレビが紹介してくれて、それをみた方が、おにぎりや豚汁をもって激励にきてくれたんだって」と教えてくれました。

この場所では冬にも高齢者みなさんが座り込んでいますが、ほとんどとりあげられたことはありません。
ところが、今回は大変な注目度。後期高齢者医療制度が、世論の嵐を巻き起こしていることを実感します。

私が座り込んでいた短時間の間にも、「がんばってください」と声をかけて通り過ぎる方、
交差点の向こうから手をふって激励していく方、
「私の思いと一緒」という方がほんとに大勢いらっしゃるのでしょう。

10時からの参議院本会議で、野党共同提案の後期高齢者医療制度廃止法案が採決されるというので、
私と谷川さんは、座り込みのみなさんと固い握手をかわして国会へ。

 
傍聴に入って間もなく、参院厚生労働委員長の解任決議案の審議が始まりました。
民主党が、他の会派との合意もなしに、討論の打ち切りと採決日程を決めたことは問題です。
なんでこんなやり方をするのか、それでは自民・公明の議会運営と同じになってしまう、
法案に傷を残すようなやり方をすべきでなかったのです。

後期高齢者医療制度の問題を脇に置き、
予算委員会での民主党の対応への批判をえんえんと討論でまくしたてる自民党議員。
解任案に反対の立場だといって、けんかを売るように討論する民主党の議員。
「子どもけんか」と表現しては、子どもたちに失礼でしょうか。

この解任騒ぎで、私はタイムアップ。
参議院をいったん出て、衆議院の笠井亮さんの質問を傍聴することに。
妊産婦検診の無料化にむけての質問、こちらも、どうしても聞いておきたかったのです。

正午少し前、国会前に座り込んでいるみなさんのもとへ。
激励の握手をかわし、一緒に国会にむけて声をあげ、そして参院議員面会所へ。
ほんとに大忙しの一日です。

廃止法案可決、小池晃さん、穀田恵二さんはじめ、党国会議員団を前に、みんなで喜びをわかちあいました。
「議面の集会で笑顔で、法案可決を喜び合うことは、政治の激動のあらわれ」
そんな発言が相次ぎました。
思わず「衆議院での廃案をめざして」といい間違う人もいて、
これまでは、法案可決に抗議することばかりだったからなと、私も感慨がわいてきました。

そして思い出したのは、2003年6月6日も参議院の議面集会に参加していた、ということ。
有事法制の成立に怒りがふきあれる集会。
そのことを重ね合わせても、今日の政治の激動を思わずにいられません。
もちろん、憲法や自衛隊の海外派兵をめぐっては、油断のならない事態ではありますが。

こんな記憶がよみがえったのは、6月6日、という日が、私たちの結婚記念日だからです。
いつのまにか15年目。
次の10年、15年の間には、政治革新が大きく前進しているように、
今日の日もしっかりと記憶に刻んでおきましょう。