コラム
【08.04.18】青梅市の農家を訪ねて
「農業再生プラン」を手にざっくばらんに
青梅市の吉野梅郷、「赤旗」日曜版にも見事な梅花の風景が紹介されていたことを思い出します。
花はすっかり散って、出始めた葉が雨にぬれる中での訪問です。
党が農業・食料問題を日本の未来に関わる重大事態と考えて発表した、「農業再生プラン」。
農業関係のみなさんに広く届けて懇談をという活動です。
訪ねた先は、梅農家。
40年ほど前に地域ぐるみで植えられた梅の木。梅酒を家庭でも作れるようになって、販路が広がったそうです。
「今はダメだね」−−当時の3分の1にもならない価格のくずれ。
農業では食べていかれない、生きていかれない、これが日本の農業の現状。
一方で、生産者としての誇りも伝わってきます。
青梅ブランドとしてつくられた梅干。パックにきっちり並んだ大きな粒は、なんだか和菓子のようにみえてきます。つやのよさ、粒の大きさ、色の美しさ、「作品」と呼べそうなほどです。
農薬散布の悩みも。
農地がだんだん住宅に囲まれるようになり、肩身の狭い思いで、周りに過敏なほどに気を使っての農薬散布。年4回ほどだそうですが、「憂鬱でね」と奥さん。
都市農業独自の問題もみえてきます。
次に訪ねたのは、梨やお茶を生産している方(80歳をこえて健康かつ元気!)。
梨は地域の農協の直売所での人気商品です。
梨畑のわきで、立ち話の懇談は、近所つきあいのような気持ちになります。
「後継者は?」と訪ねると「息子が今年、定年退職なので」――苦笑、納得の笑い、安堵の笑い、とにかく一同、笑い声をあげてしまいました。
「梨の木の下で仕事をしていると、身体にいいんだと実感できますよ」
街中に行くと咳が出るので病院に行ったら、「よほど空気のよいところに住んでいるのでしょう」と言われたとか。
農業と環境問題を重ねあわせて考えるときだと思います。
この訪問、何よりも、日本共産党と直接関係のない方々とざっくばらんに話ができることが驚きでもありました。
農業問題の話のつもりが、途中で「後期高齢者医療」への怒りが爆発したり・・・。
党綱領を語り、日本の未来を語り合う大運動も、こんなスタイルでとりくんでみたらどうかしら。
そんな感想も持ちました。
梨の花を初めてみて、緑がいっぱいの地域を車で走りながら、
緑豊かな東京の意味を、しみじみと考える機会にもなりました。