日本共産党 田村智子
コラム

【08.02.15】涙のわけは悔しさと怒り

厚生労働省への要請行動で

後期高齢者医療制度の中止・撤回、障害者自立支援法の抜本的見直しを、
日本共産党東京都委員会として厚生労働省に要請しました。

年金から保険料を天引き徴収することも「利便性のため」と説明し、
「高齢者の医療を支えるために、後期高齢者だけの医療保険制度にするのだ」と言い切る役人。
「それでは75歳以上のお年寄りに、医療制度がよくなるのだといえるのか」と質問が出ると、
これには言明できない…。

医療費をどう抑えるか、そんな仕事では、厚生労働省のみなさんも本当の働きがいは感じられないでしょう。

各地の説明会は、椅子がたりなくなるほど参加者が集まっているそうです。
それでも、説明を受けても「どうなるのか不安」という状況。

制度の実施主体である広域連合の会議でも「出直しが必要」という声があがるそうです。
国からの補助金の額も、自治体からの繰り入れもわからないのに、広域連合としての予算を議決するという根本的な欠陥も生じているのです。
4月実施を断念せよと、いう要求にこそ理があります。

続いて障害者施策での要請。
私も自立支援医療のことについて、12月の娘の入院・手術をふまえて発言しました。

国の支援の枠が狭められたことで、医療費負担が増えた家庭がたくさんあるはず。
自立支援法ができるまえまでは、病室でかわされる母親同士の会話は「医療費心配がいらなくてよかったね」というものでした。
それが、治療をためらう話まで聞こえてくる、
優れた医療技術があるのに受けられない、そんな事態を絶対につくらないでほしい。

途中から涙があふれてしまいました。
冷静に話そうと思っていたのにと、反省しました。

どうして泣いてしまったのか、自分でもわからないのですが、
話しているうちに、娘が生まれてからのことが胸にあふれたような気持ちでした。

「大丈夫、きれいに治りますよ。医療費の心配もいりませんよ」と、
生後直後に病院で言われたこと。
手術のときの娘の姿、自分の不安。
「どうしてお鼻が少しつぶれているの?」と友達に言われたという娘の言葉。
そして同じ疾病をもつお母さんとの対話。
育成医療を充実させるために、多くのお母さんたちが運動にとりくんだ歴史。

そういうものすべてをずたずたにされているように思えて、悔しくてならなかったのです。

重度の障害をかかえる方、その家族のご苦労や悔しさは、私の比ではないでしょう。
要請のなかでも繰り返されたのは、「実態を調べてほしい」ということです。

障害者と家族の暮らしがどうなったのか、施設の状況はどうなったのか、
一人の人間として、障害者や施設で働く人をとらえて、実態をみてほしいのです。

この要請を機に、私も自立支援医療の問題はもっとくわしく調べてみようと思っています。
個々ばらばらでは事態を変える力にならない、当事者の連帯をつくるつもりで。
一人で涙を流していてもだめなんだと、自分に言い聞かせています。