コラム
【07.10.17】「構造改革」が働きがいを傷つける
「構造改革」が働きがいを傷つける
夜、省庁や国立大学などの職員のみなさんの集いに参加しました。
「新しい政治を語りあうつどい」です。
秘書時代、国家公務員のみなさんとは、ほぼ毎日、顔を合わせていました。
私たちの視点からは改悪としか思えない法案をめぐっては、丁々発止のやりとりもしました。
そして、その過酷な働き方も、たびたび目の当たりにしてきたのです。
そういうみなさんの姿を思い浮かべながら、お話しする内容を準備しました。
「構造改革」の政治は、医療や介護や障害者福祉までも、予算の厳しい抑制をすすめました。
この方針にそって仕事しなければならない、これは、本来の公務の働きがいを、激しく傷つけるものではないのか、そう思えてなりませんでした。
準備しながら度々思い出した場面があります。
障害者自立支援法の内容を抜本的に改善することを求めた要請行動。
日本共産党の地方議員のみなさんとの行動でしたから、政策的な追及もとても厳しいものになりました。
負担軽減をもとめても、政府方針にそった答弁しかしない(できない)厚生労働省の担当者に、とうとう「それでも人間なのか」という声さえあがったのです。
複雑な思いでした。
もっとも責められるべき立場の人は、ここにはでてこない。
矢面に立たされ、政策決定に従って働く――これは苦痛ではないのか。
怒りの声に耳をふさいで、現実に起きている弱者切捨てに目をつぶり、
「国家予算が大変だから」「決められた政策だから」と、心を閉ざさなければやっていけない、そんなこともあるのではないのか、とも思えました。
この政治のゆがみを正すことは、公務職場の方々にとっては、真の働きがいを手にする道でもあるように思います。
短い時間で、そういう思いがちゃんと伝わる話になったかどうか。
もう一つ、公務職場のなかでの大問題は、定員外職員の待遇だと思っています。
「公務員削減」の旗振りを、自民も民主もすすめる、国民も賛成する。
でも、職場の実態は圧倒的な人手不足です。
定員を減らした分、「日々雇用」職員、時間給職員が増え続けているのです。
公務職場で働きながら月12万円に満たない給料、社会保険にも入れない、3ヶ月ごとの繰り返し雇用…。ワーキングプアは、民間だけではないのです。
「使い捨て」の働き方を国が率先してすすめてきたのです。
自民党政治が、いかに働くものの尊厳を傷つけているかを象徴しているように思えます。
働きがいを実感できること、これも新しい政治への展望。
私も、話をする機会をもらうたびに、私のなかにもふつふつと、新しい思いやメッセージがわいてきます。