日本共産党 田村智子
コラム

【07.05.28】命とひきかえになるものはない

命とひきかえになるものはない

松岡農水大臣が自殺を図った――昼のニュース速報に衝撃を受けました。
「政治とカネ」をめぐる渦中の人です。
事務所費、公共事業で談合を行っていた事業者からの献金問題、これから真相解明が必要な問題でした。

夕方、ある新聞記者から突然の電話。コメントを求められました。
亡くなられた人に、どういう言葉を発することができるのか、しばし考えました。

最初に口をついて出たのは、「どんな問題があったにせよ、命を絶ってしまうことは残念でなりません」――残念というより悔しい気持ちです。
命とひきかえにするようなものは、何もない、はずです。
そういう選択だけでは、絶対にしてほしくなかった、という気持ち。

「ご冥福を」と単純に口にできない思いが、まずこみあげてしまいます。
「死んじゃだめだ。それだけはやってはだめだ」と、言いたくなるのです。

政治とカネの事件が、どれほどの暗闇のなかにあるのかを考えざるをえません。
悲しい事件を二度と繰り返さないためにも、問題の根っこをすべて掘り起こす時です。

松岡利勝氏の冥福をお祈りいたします。