日本共産党 田村智子
コラム

【07.01.25】「美しさ」とはほとばしるもの

「美しさ」とはほとばしるもの

「しんぶん赤旗」の印刷会社でもあるあかつき印刷の「旗びらき」。
エレベーターをおりて会場前に行くと、澄み切った歌声が響いていました。
そっと中に入ると、「美しい」とはこういうことか、と思える女性の姿。

ナターシャ・グジーさん、初めて演奏をお聞きしました。
ギターをハープのようにした民族楽器をかかえ、張り詰めた糸のような歌声を響かせる。
高音をこんなに優しく清く響かせる演奏は、今まで聞いたことがないように思います。

チェルノブイリ原発事故、「すぐに帰れます」といわれ、着の身着のままで村を離れたのは6歳の時だったといいます。
それから21年、ついに村には戻れず、家も思い出も土に埋もれてしまったのです。

「過ちを忘れないで」と静かに語る横顔に見入ってしまいました。
深い深い悲しみを胸にいだき、たくさんの子どもたち、人間への思いに満ち、願いをいっぱい心に育てる。
ナターシャさんの美しさは、それらすべての中からほとばしっているように思いました。

今日から始まった国会。
「美しい国」と、また安倍首相は掲げるのでしょうか。
「教育再生国民会議」の報告も、上から「美しくあれ」と叩き込むような内容に思えてなりません。
苦しみを知ること、悲しみを知ること、現実から出発すること――しっかり足をふんばって対決していきましょう。