日本共産党 田村智子
コラム

【06.10.17】パーキンソン病の青年のこと

パーキンソン病の青年のこと

「朝日新聞」の1面トップ、「難病の無料治療 縮小」「厚生労働省方針 軽症は有料化」の記事。
朝から険しい顔になってしまいます。

私の主張を伝えるチラシが配布され始めてすぐのこと、パーキンソン病をかかえる青年から事務所に電話がありました。
チラシに、「お困りのこと一人で悩まずご相談ください」という一言を入れたことで、相談や思いを伝える電話がかかるようになったのです。

若年でパーキンソン病を発症。次第に体を動かすことが困難になる難病です。
症状を少しでも抑えるために「薬を増やしましょう」という医師。
「薬代が払えない」と悩みながら伝える青年。

その後、公費助成を受ける対象となり、やっと症状を抑えるのに必要なだけの薬が処方されるようになったそうです。
ところが、厚生労働省が公費助成のハードルを高くする方向と報道され、抑えることのできない憤りを私に伝えてくれたのです。

3割負担になれば、薬代は払えない。
生涯どれだけの薬代を負担することになるのか。
いまやっとの思いで症状を抑えている、病気とたたかい、症状を抑えれば公費助成の対象外となるのならば、患者はどこに希望を見出せばいいのか。

――この方の手記を読み終えたとき、胸のざわつきがおさまりませんでした。
重い病気を抱えても困難に負けずにがんばる人の気持ちを、なぜ政治が「くじく」のか。

記事によれば公費助成は「難病の研究のため」。だから原因がわかった病気は対象からはずすし、研究の甲斐のない症状も対称からはずすのだそうです。

それならば、研究のためではなく治療のため、支援のための医療費助成制度をつくるべきです。
苦しい立場にある人を励ますことのできる政治は、すべての人に安心と元気を与えることができるはずです。