コラム
【06.03.11】多麿全生園の集会所へ
三多摩地域の障害者団体の集まりに寄せていただきました。会場は国立療養所多麿全生園(ぜんしょうえん)の敷地内です。
ハンセン病を理由に強制隔離された方々の苦難の生活の場となった全生園。
患者のみなさんが地域の障害者の方と手をつなぎ、運動をすすめてこられたことがわかります。
集会のあと、今も全生園で暮らしていらっしゃるHさんに、敷地内を案内していただきました。
隔離政策の誤りが断罪されたのはごく最近のこと。それまで、敷地内にゴミの回収に来る職員には「危険手当」という割り増し給料が払われたそうです。
宗教地域といわれた場所には、あらゆる宗派の建物(たとえばキリスト教だけでも3箇所)。
葬式も納骨も、生涯のすべてが敷地内に押し込められたためです。
納骨堂、花があふれるほど供えられていました。
Hさんも、ともに暮らした友人の命日には花をもっておまいりするそうです。
梅がもうすぐ満開。「桜の季節には地域の方が大勢お花見に来ますよ」
あたたかな日差しのなか、よく手の入った植樹の合間に子ども連れの家族の姿も見えました。
長い長い苦難の日々を癒すかのような光景です。
国会の無作為も厳しく断罪されたハンセン病患者への冷酷な「仕打ち」。
何があったのかをしっかり学ばなければ。Hさんにも約束しました。「お話を聞きに、ぜひまた伺います」