日本共産党 田村智子
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【13.03.21】TPPは医療を破壊、交渉参加の撤回を迫る

 田村氏は厚生労働委員会で、21日「公的医療保険は(TPPの)対象外」とする政府の証拠を突き崩しました。

 田村氏は、米国が、薬価を引き下げるルールの廃止などを求めていることを指摘し、薬が高く治療が受けられない患者が出てくると追及。田村憲久厚労相は、「不透明な算定ルールではないので、しっかり主張していく」などと答弁しました。

 田村氏は、「薬価は公的医療保険財政の3分の1を占めている。その薬価に影響があっても公的保険に問題はないというのは詭弁(きべん)だ」と批判。安倍内閣の規制改革会議では、一部の先進医療に限定されている現在の保険外併用制度(評価療養)を先進医療全体に拡大しようとしていることを示し、混合診療の全面解禁の検討を行っていこうということかとただしました。

 内閣府の滝本純生規制改革推進室長は、「範囲の拡大は会議などで今後議論する。どのような議論になるかは現時点では確たることは断言できない」と答弁。田村氏は、金融審議会でも、医療保険外の医療をカバーする医療保険の販売解禁が検討されていることを指摘。「保険外診療の拡大、民間の保険商品がTPPの対象になっていることを重く受け止めるべきだ」と強調しました。

(詳報)公的医療保険に影響

 TPP交渉で公的医療保険制度は対象にならないとする政府。日本共産党の田村智子議員は21日の厚生労働委員会で、その論拠を突き崩しました。

 外務省は、米国が日米経済調和対話協議で、▽新薬の高薬価を維持するルールを恒久化する▽市場拡大再算定ルールなどの薬価や医療機器の価格を引き下げるルールは廃止、または引き下げを抑える改正をする▽医療機器の外国平均価格調整ルールを廃止するよう迫っていることを報告しました。

 田村氏は「米国要求を受け入れれば、薬が高く治療を受けられない患者が出てくるのではないか」と追及。

 田村憲久厚労相は「向こうの言うとおりでなければTPPを結べないということではない。交渉でしっかり主張する」などと答弁。田村氏は、アメリカの要求を受け入れたオーストラリアでは、一部医薬品が急騰し、医療財政に影響を与えたとして「公的医療保険は対象外というのは詭弁(きべん)だ」と批判しました。

 国内でも公的医療保険を崩す動きが―。規制改革会議が「混合診療」=保険診療と保険外診療の併用制度の拡大を求めています。

 田村氏が、「保険適用外の高度医療が混合診療として普及されれば、お金のあるなしで治療内容が異なることになる」とただすと、田村厚労相は「費用が下がり費用対効果が上がれば収載(保険適用の対象となること)される」と釈明。田村氏は「混合診療で普及をはかれば大幅に費用が下がるということはない。高いままの保険外診療が拡大される方向が明らかだ」と批判しました。

 田村氏は、民間保険でカバーする保険外診療を公的保険に加えようとすれば、保険会社が“民業圧迫”だとしてISD(企業と政府の紛争解決)条項を使って日本政府を訴える可能性が高いと指摘。「TPPに参加しても、公的医療保険制度に何一つ影響を与えないと言い切ることはできない」と批判しました。

(2013年3月22日(金)、「しんぶん赤旗」より)