【11.06.14】介護保険改定案を可決/反対討論ーサービス一層抑制
介護労働者の処遇改善、介護職員による医療行為の解禁について政府を追及
介護保険サービスのいっそうの抑制を可能にする介護保険法改定案が14日の参院厚生労働委員会で、民主、自民、公明、みんなの賛成多数で可決されました。日本共産党と社民党は反対しました。
反対討論に立った共産党の田村智子議員は▽「要支援」と認定された高齢者へのサービスを市町村の判断で安上がりなサービスに置き換えることを可能にする▽医療専門職が行うべき医療的ケアを介護職員に押しつける▽介護療養病床廃止の方針を変えておらず急性期を脱した患者の行き場を奪う―などの法案の問題点を指摘。「保険あって介護なし」の現状の改善に不可欠な国庫負担の新たな投入もないと批判しました。
採決に先立つ質疑で田村氏は、新設される24時間対応の巡回型訪問サービスについて、介護労働者不足の現状では絵にかいたもちになる恐れがあると指摘しました。介護労働者の「賃金月4万円アップ」という民主党の政権公約に照らしても、現行の処遇改善交付金(月1・5万円分)を前進させるなど、保険料・利用料アップにつながらないよう国の責任で労働条件改善を図るべきだと迫りました。岡本充功厚労政務官は「ご指摘を踏まえて検討していく」と答弁しました。
田村氏はまた、介護職員による医療行為(たん吸引など)の解禁について、介護報酬上の評価も未定であり、研修や業務の負担だけが介護職員に押しつけられることになりかねないと追及しました。岡本氏は「ご指摘を受け、介護職員の立場に立って考えていきたい」と述べました。
(2011年6月15日(水)「しんぶん赤旗」より)