【10.9.13】国保の減免拡充と熱中症対策を―厚労委で質問
市町村で上積み可能、国保減免 田村議員に厚労省答弁
国民健康保険(国保)の患者負担の減免制度について厚労省が新基準を出すのに先立って、日本共産党の田村智子議員は13日の参院厚生労働委員会で質問に立ち、市町村の判断で国の基準以上に拡充できることを明確にするよう求めました。厚労省の足立信也政務官は、国の基準は「最低限」を示すもので、市町村が自主的に上積みを行うことは「望ましい」と答弁しました。国保の患者負担は重く(現役世代3割・高齢者1〜3割)、治療の中断や受診の抑制が広がっています。国は昨年度、収入が生活保護以下に急減し、預貯金が生活保護の3カ月以下の世帯を対象に減免のモデル事業を実施していました。
田村氏は、国が減免制度の新基準を示すにあたっては、非正規雇用が増え中小企業が不況に苦しむ中で、恒常的に収入が少ない世帯も対象とするよう求めました。これに対して足立政務官は「福祉的な意味合いが強くなり、医療保険の中での扱いだけでは済まない」と否定的な考えを表明。田村氏は医療保険での対応も必要だと反論しました。
国の基準以上の拡充を自治体が行えることを明確にするよう田村氏が迫ると、足立氏は「市町村の自主性を担保しなければならない。国の基準は一つの最低限で、上積みを市町村が行うのは望ましい」と答弁しました。
厚生労働省の新基準についての通知
通知についての厚労省のQ&A
会議録
熱中症から低所得者守れ、生活保護に夏季加算要求
日本共産党の田村智子議員は13日の参院厚生労働委員会で、熱中症による死亡者を出さないために、生活保護の夏季加算やシェルター(避難所) 設置などの新たな対策を行うよう求めました。
田村氏は、厚労省が行っている予防法の周知だけでは被害を防げないと指摘。経済的な理由でクーラーを買えない場合、都道府県の社会福祉協議会の生活福祉貸付金を利用できることを周知するよう求めました。
さらに、生活保護受給者が電気代の心配から「クーラーを3時間しかつけられない」「設定温度は30度」などとしている実態を示し、夏季加算の新設を提案しました。長妻昭厚労相は「検討していきたい」と答弁しました。
田村氏はまた、人工透析を受けて水分補給を制限されている90歳の高齢者がクーラーのない部屋で暮らしている例も示し、低所得世帯には従来の方法を超えた支援が必要だと主張。熱中症シェルター設置や高齢者訪間活動などに国として財政支援を行うよう求めました。長妻厚労相は「(シェルターの) 重要性は認識している」と述べました。
(2010年9月14日(火)「しんぶん赤旗」より)