日本共産党 田村智子
コラム

【14.02.16】大雪に閉ざされた山梨県からのSOS

現状は?人命救助は?――緊迫の日曜日

山梨県が雪で閉ざされてしまった――2月16日朝、私のフェイスブックに小越智子県議からSOSが寄せられました。
「山梨県孤立しています。高速も電車も止まってます。報道されません。スーパー・コンビニ食べ物ありません。灯油も入ってこない。死者出てます。立ち往生の車内で3日という方もいっぱいいます。・・・」

電車移動をしながら事務所スタッフと連絡とり、小越県議・内閣府の双方から情報をつかんでもらうことに。
朝9時過ぎ、内閣府に対応する体制はまだつくられていない様子。
政府との直接やり取りが必要と判断し、昼過ぎ、町田市(市長・市議選挙の告示日)から一路、国会へ向かいました。

国会への異動中、「小池晃副委員長が副官房長官に、穀田恵二国対委員長が防災担当政務官に、国としてすぐに対策をとるべきと働きかけをした」との連絡。
それから間もなく、内閣府から大雪対策を講じるため関係省庁会議が開かれるとの連絡がありました。
同じく急きょ国会に駆けつけた小池さんと一緒に、関係省庁会議の内容を内閣府から聞き取ることに。

山梨の現地も、小越県議自身が家から出るための雪かきに懸命になっている様子。
ネット上では、家のドアが開かない、2階の窓を突き破って雪がなだれ込んできた、停電で暖房が使えない、14日夜から高速道路や国道で車両が立ち往生など、信じられない事態が写真で投稿されています。
なぜかテレビもラジオも、都内周辺の情報ばかりで、人命にかかわる事態が進行中であることが報道されているとはいえない状況。

内閣府の説明を待つ間、党独自のネットワーク(各県・地区、地方議員等)からつかんだ情報が届き始めました。
山梨県だけでなく、長野県、埼玉県、群馬県など、鉄道・道路とも途絶した地域があることがわかり、私たちの危機感はますます募りました。
幹線道路がこのような状態では、住宅をつなぐ生活道路は除雪が不可能な状態であろうと想像されました。
そのような中で、地方議員を先頭に、各地の党員が連絡をとりあって後援会員、読者、近所の方々の安否を確認したり、励ましたり、除雪の手伝いをしたりということもわかりました。

午後2時過ぎ、内閣府の担当官が国会の小池事務所で政府の動きを説明。
山梨県知事と古屋防災担当大臣とのテレビ会議の内容を聞いて、県はまだ災害救助法適用を決めていないことがわかりました。
すぐに、現地の党組織に「県の動きがにぶいようだ。国への要請も遠慮がち。早く災害救助法適用の決定をするよう働きかけを」など問題提起。

自衛隊派遣は長野県に延べ約120名、山梨県に延べ約35名――これは見過ごせませんでした。
人命最優先で考えると、これで足りるのか。特に山梨県になぜ35名なのか(さらに派遣することになっているが天候や移動が困難ということか)。
一度持ち帰って防衛省に確認してもらうことに。
後刻の連絡は、「県からの要請が、立ち往生のバス(中学生約250人)や車両、孤立ホテルへの物資輸送だったので、それにこたえるのに必要な人員がこの規模」というもの。
さらに「自衛隊の派遣は、自衛隊でなければできない作業に対して行うもの。除雪は民間の土木・建設の重機を使ってもできるもの。除雪というだけでの派遣にはなっていない」との説明もありました。

これは聞き捨てなりません。
民間業者が重機のところまでたどりつけるのか、重機を掘り出す作業から必要ではないのか、家から出られないと悲鳴があがっているではないか。
こうした意見は内閣府にも伝えつつ、現地にも政府ルートからつかんだ県の動きをフィードバック。

フェイスブックやTwitterでもこうした情報を随時提供しました。
災害救助法の適用については、とりわけ、繰り返し繰り返し情報を流しました。
どうか該当する地域の地方議員の方が目を通してくれますように――そういう思いをこめての情報発信です。

駆けつけるにも交通手段が途絶。物資を届けることもかなわない。
それでも現地からは、情報途絶状態から脱し始めたこと、国が動き出したことが大きな励みになったようです。
県に対してどう働きかけるかが見えてきたことも、言いようのない不安や焦燥感への答えになった様子。
それが私たちにとっての励みにもなりました。