コラム
【11.12.06】派遣労働法を8日に参委員会で採決?!
「参議院の自己否定だ」と抗議
朝、厚生労働委員会の理事会で民主党から突然の提案がありました。
「派遣労働法の改正法案が明日、衆議院で審議・採決されれればという前提で、8日午後、主旨説明、質疑、採決で一気通過をお願いしたい」
衆議院では、まだ参考人質疑を決めただけ。製造業派遣禁止の条項を削除するという重大な修正が行われると言われているのに、いまだ修正案は提案されず、審議日程も協議していない。
その状態で、参議院の委員会採決まで協議しようというのは、不見識にもほどがあります。
さすがに、自民、公明、みんな、社民も同じ意見。
10分間の理事会はそのまま終了して、10時からの委員会が始まりました。
法案は、国民年金の財源についてのもの。
15分間の質問は、短いのでぜひ参議院のHPからご覧いただければと思います。
昼休み休憩をはさんで再開された委員会。
議場がざわざわしていました。いわゆる「場内協議」。
理事のメンバーが、次の委員会日程に関わって小声で協議をしているのです。
自民党の理事が野党の席にきました。
「民主党から、朝の提案について再度提起したいので、委員会終了後、理事会再開を申し入れてきた」
私も小声で応じました。
「衆議院の厚生労働委員会は、今日の3時に理事懇で、審議について協議するのではないですか? こちらが日程協議する条件にはないと思いますが」(時刻は午後1時過ぎ)
それから数分後、民主・自民の筆頭理事の意向で、理事会の再開が伝えられました。
委員会終了は午後2時前。
民主からはなんと、「質疑時間7時間、民主は質疑をせず、各党質疑時間は、みんな・共産・社民各25分、公明50分、自民党151分でどうか。質疑後採択までお願いしたい」と提案。
各党から「持ち帰る」との意見表明。
「衆議院では3時から日程協議と聞いている。質疑時間を提案するのはいかがなものか。納得できない」
口調が思わず強くなります。
それでも民主党は「会期末が迫っており、なんとかこの国会で成立を。突然の質疑では質問準備が大変かと思うので」
協議は整わず、理事会はそのまま収束の方向。
手をあげて発言を求めました。
「委員長にお願いしたい。衆議院では修正が行われると聞いている。法案の柱に関わる重要な内容。とにかく成立させるためにということでは、参議院の自己否定だと思う。参議院の審議はいらないということになりかねない。正常な運営につとめてほしい」
こうした動きは数日前から、さざ波のように伝わっていました。
自民党の議員からも「業界から、派遣を決着つけてほしいとせっつかれている」との声が聞こえていました。
それにしてもあまりにもひどい提案。
これには、野党は現時点では結束して「認められない」との態度です。
夕方、衆議院から情報が届きました。
明日夜7時まで委員会質疑をして採決。それで翌8日に参議院の委員会質疑などどうしてできるのか!
衆議院でどのような質疑があり、どのような答弁があったのか、それをふまえて質問準備をしてこそ二院制の役割が発揮できるはずです。
物理的に、十分な質問と答弁を準備する時間がないことは明白です。
法案の成否以前に、これでは議会制度の否定です。
民主・自民・公明で修正協議をすれば、もう話し合うことはないということなのか。
徹底抗戦、道理をつくして一歩もひかずの決意です。