日本共産党 田村智子
コラム

【10.09.04】知的発達障害者の生きやすい法制度を

東京大集会に参加しました

「知的発達障害者の生きやすい法制度を求める! 第5回東京大集会」。
日比谷公会堂で開かれたこの集会に、民主党、公明党の国会議員とともに参加しました。

地下鉄の日比谷駅で改札に向かう階段をのぼろうとすると、同じ集会に参加するらしい4人連れの姿がありました。
3人の障害者の方々に連れ添っているのは若い男性。
2列で階段を上がる途中で、上階から下りてくる女性の姿が。
支援者の方が、障害者の方に視線を送り、気づいた障害者の方がわきによけました。

この支援が知的障害者、発達障害者の方に不可欠なのだと、確認するような一こまでした。
実は、この集会で発言するにあたって、あらためて知的障害者の方々への支援のあり方を考える機会をもちました。

集会の主催者団体の一つ、東京都社会福祉協議会知的発達障害部会の方から事前にお話しも聞きました。

「自分の考えを決める、その場にふさわしい行動を自分で決定する、こういう意思決定の過程で支援が必要」
今の自立支援法の枠組みには、こうした支援が抜け落ちています。

自分で立てるか、歩けるか、着替えや食事ができるか、多くの知的障害者、発達障害者の方は「できる」のです。
けれど、なんのために、どんなふうに行動するか、その場にふさわしい行動となるか、これは一人ひとりの状態によって異なってくるでしょう。

とくにどこに出かけるにしても、多くの人との接触がある都会では、トラブルもまた起きやすい。
電車で、発達障害の方と乗り合わせ、どう接したらいいのかと戸惑った経験は少なくない人にあると思います。

出かけようという意思決定にも、支援が必要との話しもお聞きして、この支援は量も質も問われると、あらためて知りました。
「何かしたい」という意思表示をとらえ、何をしたいのか、何をするのか、本人の意思形成を支援する――支援する側と当事者との信頼関係や、支援者の専門性が問われるでしょう。

集会では、当事者の方々の発言もありました。
先週の24時間テレビで、AKB48とダンスを踊ったダウン症の女性も登壇して発言。
私も、このダンスをテレビで見ていましたので、なんだか嬉しくなりました。
はつらつとした表情、声に、障害者の方にとって自己実現がどれだけ大切なことか、考えさせられました。

親の立場で発言された方々は、事業所、施設で働く人たちの処遇改善を切望していました。
知的発達障害者の方にとって、信頼して相談できる支援者、ヘルパーさんは大切な存在です。長く働いてほしい、モチベーションをより高めてほしいと家族は心から願っているのです。

午後1時から4時半過ぎまで、たくさんの発言を聞きました。
私も一生懸命に意見表明しました。

切実な要望にこたえるには、障害者予算の大幅な増額がどうしても必要です。
大企業への法人税減税は来年度1兆円規模、という提案が出された直後でもあり、「それでいいのか、この国のあり方をおおもとから考えるとき」と提起もしました。

それにしても、学ぶことがたくさんあるなぁ…。
そしてやらなければならない仕事も。
私のモチベーションも大いに高まる一日でした。