日本共産党 田村智子
コラム

【09.03.19】どうして小児病院を減らすのか

都立3病院廃止条例が可決・・・

 
都庁前の座り込みに参加し、18日は都庁をとりまくデモ行進にも参加しました。
次々にマイクをもつみなさんの熱い思いが伝わる毎日でした。
その声は、都議会の民主党・生活者ネットを揺り動かして、
日本共産党だけが明確にしていた条例案「反対」の会派を広げました。
採決の結果は1票差。

デモ行進の日、子どもを廃止対象の病院に通わせる親の声に胸が熱くなりました。
小児精神医療を専門とする都立梅が丘病院。
医師、看護師だけではなく、保育士、教員、ケースワーカー等々、スタッフの連携で子どもの発達に大きな役割を果たしてきたとのこと。
「50年かけてすばらしい病院をつくりあげたのに、なぜ廃止なのか」

病院の中だけではありません。
精神科という困難な分野、病院の周辺地域のみなさんがあたたかく見守るには年月が必要だったでしょう。
通院する子どもにも、親にも、あたたかな町の雰囲気がどれだけ支えになってきたことか。

府中に最先端の小児救急・小児病院をつくり、統合する。
自閉症の子どもを育てる母親は言いました。
「光や音の刺激が子どもには苦痛。救急車の行き交う病院に統合されることに大きな不安がある」

子どもさんが自閉症だとわかるまでに、親子の苦しみは相当なものだったそうです。
「学校に行きたがらない子どもを無理やりひっぱって、5分で歩ける道を20分かけて引きずっていった」
「私の育て方が悪かったから、そんな思いにつぶされそうだった」
梅が丘病院で専門スタッフの力をえて、お母さんはそんなつらい体験を涙を見せずに話せるまでになったのです。

石原都知事の「財政再建プログラム」から端を発した都立病院統廃合。
プログラムを策定したときと比しても、病院が足りない、命が危ない、という異常事態が深刻になっているのです。
なぜ、方向転換の決断ができないのか。
なぜ、自民党・公明党の都議はただただ石原都知事に追随するのか!

民主党・生活者ネットも条例案に反対しつつ、
日本共産党が提出した「存続条例案」に反対、都民の「存続」を求める請願も反対。
このあいまいさが、石原都知事のトップダウンをのさばらさているのではないのか!

条例案には、廃止期日が明記されていません。
まだあきらめるわけにはいきません。
子どもから病院を奪うな、オリンピック招致に税金を垂れ流すより、命と暮らしのために税金をつかえ! ここからが本番です。

(写真は18日の行動です)