日本共産党 田村智子
コラム

【08.07.27】高尾山の集会に行ってきました

たしかにここは「奇跡の山」です!

 
2年ぶりの集会です。
裏高尾の梅林に向かう途中、地上30メートルの巨大道路が見えてきました。
山肌を縫うようにしてつくられたジャンクションです。

2年前は、同じ場所からはアドバルーンが見えていました。
「あの高さに道路をつくる計画」と、教えてもらったことを覚えています。
景観を台無しにすると感じたことが、そのまま「実現」していることに胸が痛い…。

トンネル建設が始まり、始まったとたんに崩落事故が置き、
建設差し止めの訴訟は東京高裁で敗訴。
でも、集会は希望を語り合うものでした。

有明海の堤防を開けろという裁判で勝利した、佐賀の漁民の方、弁護士の方も連帯の参加。
学ぶことがたくさんありました。

海苔がダメになり、貝もとれなくなる、生活苦と先の見えない行き詰まりから何人もの漁民の方が自殺、心中で命を落としているというのです。
裁判は、ぎりぎりのところまで苦しめられてきたみなさんの抑えようのない声なのだと、
その思いに打たれました。

堤防を開けることを強く求めた地裁判決。
国の控訴は本当に許せませんが、その過程で相当に追い詰められた控訴であることも鮮明になったそうです。
有明海周辺の県知事は、長崎県をのぞいて控訴に反対の意思表示。
(長崎県知事は、身内が干拓事業に深く関わっています。)
農水副大臣も「控訴すべきでない」と大臣に意見を言ったとか。

有明の漁民のみなさん、支援者のみなさんのがんばりが政治を揺るがせているのです。
東京の圏央道、外環自動車道など、大型公共事業も、有明に学び連帯し勝つぞ!

運動をすすめるには、高尾山のサポーターを増やすこと。
豊かな生態系を保ち、世界屈指の生命の宝庫が都会にある、地球温暖化問題をみても、都民の健康と豊かな文化の享受ということからも、その価値は絶大です。

その事実をどう伝えるか。
集会では「奇跡の山」という言葉がつかわれ、「これだ!」と思いました。
高尾山は都会の目前にどっしり構える「奇跡の山」。

せっかく裏高尾まで来たのだから、と、一緒に集会に参加した息子と山に入ってみました。
雷が遠くでゴロゴロ鳴り始めて、ちょっと躊躇しましたが、まずは蛇滝まではとりあえず大丈夫だろうと出発。

蛇滝までの道は水の流れにそった道。
道の左手に川を見ていたのに、途中で気がつくと右手に川。
「いつ変わったっけ?」と言い合いながらさらに上りました。

蛇滝、白装束で滝に打たれようと、滝修行の人の列。
さらに上ると、道は鬱蒼として、ちょっと一人では怖いくらい。
道も細く急勾配。途中、太い倒木をみて「ほんとに上れるの」と息子の不安な声。

川の流れから離れると蒸し暑さもまして、あごから汗がしたたります。
とにかく上ってみようと、不安をふりきりながら歩き続けると雨が本降りに。
木の威力はすごい! ほとんどぬれることなく歩けるのです。
急勾配の斜面を足元から見下ろすと、「こえ〜」と息子。

そこから少しでケーブルの駅に出ました。
そこはこれまでの道が嘘のように開けていて、でも展望台の見晴らしはすばらしくて、
都会から山を実感できる、体感できる、これが高尾山なんだと、「奇跡の山」の意味を何度も考えることができました。

雨と時間の関係で、山頂をめざすことはしませんでしたが、近いうち、必ず挑戦しようと、息子と話しながらケーブルで下山。
ヒグラシの鳴き声が響き渡っていました。

少しだけ上ってみて思いました。
みんな高尾山にもっと行ってみよう!
この山の価値を体験しよう!
そして、トンネル建設で、この「奇跡の山」を傷つけることに「異議あり!」の声をあげ続けよう!