コラム
コラム
【08.07.22】交通費を全額支払わせるために
派遣で働くみなさんの声を厚生労働省に
必要経費を労働者に払わないのはおかしい、なんとか解決の道を開きたい、この1年ほど考え続けてきました。
道を開くため、まずは厚生労働省に率直に疑問をぶつけてみよう、現行の制度を知ることから始めようと、厚生労働省に説明を求める場「レクチャー」をやってもらいました。
国会議員や秘書が、省庁から直接説明を受けられる「レクチャー」。
私も秘書時代、大いに学ぶ場として利用してきました。
今回は、笠井亮衆院議員の秘書さんに同席することに。
日雇い派遣の規制問題も、検討の様子を聞こうと思いましたが、これは「7月末までに検討会の報告を出します」という説明のみで、内容はそれまで明かせないとのこと。
そこで、交通費問題に私も質問を集中しました。
交通費や給料支給の際の明細書発行の有無は、労使協定で決めることで、法律上の規定はない――これが最初の説明。
質問� 崟亀�雇用の労働者についても、なんの規定もないのか」――労働基準法等は、「労働者」というくくりなので、正規・非正規の区別なく規定はない。
質問�◆峺鯆免颪�支払われないというのは、社会の常識に照らしておかしいのでは？ 規定はなくとも、厚生労働省として望ましい形をどう考えているのか」――規定がない以上、望ましいものというのも存在しない。
質問��「社会保険庁では年金問題で大勢の非正規職員がいるようだが、厚生労働省は非正規の人に交通費を払っているのか」――担当部署が違うのでわからない。
質問�ぁ嶇�使協定というが、派遣労働者のほとんどは労働組合にも入っていない。どうやって協定を結ぶのか。残業も、労使の取り決めがないもとでは、どういう扱いになるのか」――事業所の過半数の労働者（正規･非正規の区別なく全体の過半数）を組織する労働組合が使用者と協定を結ぶことになる。そういう組合がなければ、労働者代表との協議が必要。それもいまま、残業をさせていたら、労働基準法違反」
私が質問したのは、この４点。それぞれ回答もつけて紹介しました。
不勉強でした。交通費は支給は、いまだ権利としては未確立、ということなのでしょうか。
けれど、ここで引き下がるわけにはいきません。
「規定がない」という説明に、もう一歩ふみこんで再質問。
「正規職員には全額支給されるのに、非正規には払われない、これは均等待遇・均衡待遇の原則に照らせば、正されるべきではないのか」
これには明確な回答はありませんでした。
１時間を超えるレクチャー、そのほかにも総選挙の予定候補者のみなさんや、民青同盟の若者からも率直な疑問がいくつも出されました。
最後には谷川智行さんが「厚生労働省が、若者たちを支援するという強いメッセージが必要では」と力の入った問題提起もありました。
終了後、若者たちと「このままで終わるわけにはいかないね」「知らせて、運動を広げて、もう一度厚生労働省にも声を届けよう」と言葉を交わしました。
交通費が全額支給されれば、それだけで月１〜２万円の収入増になる人も大勢いるはずです。
それが若者にとって、どれだけ暮らしの応援になることか！
交通費は全額支給が当たり前、最低賃金は時給１０００円が当たり前――世論をつくるぞ！政治や企業を動かすぞ！