コラム
【07.03.28】オリンピックの本当の目標は
オリンピックの本当の目標は
地域のスポーツ振興の活動をしているIさんから、オリンピックについてとても勉強になるお話を聞く機会がありました。
「オリンピズム」という考え方を、国際競技会としてあらわしたものがオリンピック。
単なるイベント、スポーツの祭典ではないというのです。
さっそくオリンピック憲章を調べてみました。
「オリンピズムの目標は、スポーツを人間の調和のとれた発達に役立てることにある。その目的は、人間の尊厳保持に重きを置く、平和な社会を推進することにある。」(オリンピック憲章第2条)
「スポーツを行うことは人権の一つである。」(同第4条より)
人間の発達のためにスポーツにとりくむ。
スポーツを楽しめる平和な社会をつくる。
スポーツの機会が誰にでも与えられる社会にする。
これは大変な努力のいるとりくみです。
イベントをどうするか、大きな競技場どうするか、自動車道路をどうするか、は主題ではないのです。
障害児へのスポーツ指導をしている方から、数年前に、お話を聞いたことを思い出しました。
視覚障害者に水泳を教えると、腕が後ろに回らないことに気がつくというのです。
日常生活では後ろに歩くことはない、前に何があるかを確認する動作が通常なので、腕を後ろに回すことに違和感がある場合が多いというのです。
身体の発達のために、障害を持つ方もスポーツの機会がたくさんあってほしい、と話しておられました。
東京はどれだけの都民のスポーツに関わることができているでしょうか。
私の家の近くでも、5年前に公立のスケートリンクが閉鎖され、子どもたちはスケート楽しむ機会を失いました。
プール、体育館、野球のできる広場(キャッチボールさえできない公園ばかり)、バスケット、バレー、テニスなどのコート…。
やりたいと思ったときにできる、という環境ではとてもありません。
オリンピックに本気でとりくむとは、どういうことか、もう一度考えるときではないかと思います。