日本共産党 田村智子
コラム

【06.09.20】安倍政権と「マイボス マイヒーロー」

安倍政権と「マイボス マイヒーロー」

昼のニュースで自民党の総裁選挙の結果を知りました。
『美しい国』という本まで書いて、目指す方向を示したという安倍氏。
私も読んでみましたが、国民の姿も声も見えてこない内容に驚きました。

テレビでも繰り広げられた「美しい国」のビジョン、驚いたのは教育政策です。
国民が学校を選び、生徒数の少ない学校には予算も削減する、そうやって教育費を「効率よく」配分する――そもそも教育って何かをくつがえす乱暴な議論にあきれはてます。

競争しなければ学校はよくならない、この考え方が許せない。
子どものことも、教職員も、親も、学校も信頼していない。
一体親は、何を基準に公立小中学校を選べというのでしょうか。
テストの平均点? 学校設備? 学校行事? 進学率? 風評?

生徒数の少ない学校で学ぶ子どもたちには、充分な教育は与えなくてよいというのでしょうか。
調子にのって麻生氏も、塾と学校を選べるようにすれば、教育予算は大幅にカットできる、とか。

我慢のできない無責任な議論です。
子どもたちすべてを成長させる、学ぶ意欲を掻き立てる、それはテストや競争によってもたらせるのではないでしょう。

私も好きで見ていた「マイボス マイヒーロー」という学園ドラマがありました。
ありえない展開も多々ありつつも、学校であれだけ一生懸命になれたら楽しかっただろうなと一抹の郷愁を覚えながらみてしまいました。

学ぶとは何か、初めて学校で学ぶことに真剣にとりくんだ主人公の変化は、このドラマが共感を広げた一因だと思います。
草食動物と肉食動物の目の位置の違い、「あはれ」という言葉に含まれる感動…。

そういう教育は、政治が学校を序列化することでは実現しない、教育現場の努力によりそう、子どもたちの困難にも成長にもよりそうことこそ必要です。
新政権の最初の挑戦は、教育基本法の改悪でしょう。
その先に何があるのかを、赤裸々に語った安倍さんに、私たちも正面から挑みましょう!