日本共産党 田村智子
コラム

【06.06.23】首都高速の「コスト削減」が何をもたらしたか

首都高速の「コスト削減」が何をもたらしたか

昨年の9月、北区堀船地域で石神井川仮設護岸が決壊した問題、2月にも首都高速株式会社へ責任を明確にするよう求める要請をしました。
それから4ヶ月。先週、マスコミに「首都高の工事に問題あり」という結論がいっせいに報道されたときには、粘り強く交渉を続けてきた地元のみなさんの姿を思い浮かべました。

この問題の一つの区切りとして、笠井亮衆院議員といっしょに、首都高速道路株式会社から正式な説明を受けました。
これまで地元で熱心にとりくんできた、曽根はじめ都議、北区の山崎区議もいっしょです。

数百万円のコスト削減のため、河川管理者である東京都の承認をえた工法をまったく変えてしまった、これが問題の根源です。
従来のコンクリート壁をかさ上げするために載せた鋼材、これをとめていたボルトが折れていて、鋼材はただ乗っていただけだったというのです。
ボルトが折れた原因として、温度変化による変形も否定できないとのこと。大変な問題です。
当初の計画通りの仮設護岸をつくっていれば、ボルトなどは使用しない「数倍の強度」(首都高の説明)のコンクリート壁ができていたはず。
仮設護岸撤去まで8年間、定期点検、ボルトの抜き取り点検などを繰り返すというのですから、むしろ手間も予算もかかることになります。

ルールを無視したコスト削減が、安心・安全さえも削減してしまった・・・。
相次ぐエレベーター事故、耐震偽装事件を思い出してしまいました。
「コスト削減」をあおってきた政治の責任も問われるときでしょう。